幸福のスイッチ・高校編 原案:安田真奈 著:石崎洋司 | 105円読書

幸福のスイッチ・高校編 原案:安田真奈 著:石崎洋司

幸福のスイッチ・高校編

安田真奈:原案 石崎洋司:著
ジャイブ ISBN:4-86176-338-X
2006年9月発行 定価567円(税込)









上野樹理主演の同名タイトルの映画ノベライズ版…ただし内容は映画版の前日談にあたる、主人公の高校時代の話。映画はDVDで見たので、たぶん、映画と同じ内容だったら読まなかっただろうなぁ。

イラストレーター志望の稲田怜は高校入学と同時に美術部に入部。しかし、電気屋一筋、家族のことなんて顧みず、お客様第一主義の父親とはソリが合わず、喧嘩ばかり。唯一、自分の絵を認めてくれるのは優しい母だけだった。

映画でも回想シーンなんてで、ちょこっと出てきた主人公の高校時代を描く。映画版では、すでに母親が他界していたが…小説版では、主人公と厳格な父の間に立ち、防波堤となり…いつもニコニコと愛想をふりまく。映画を見ているので、母親の死は分かっていたが…その辺はあまり重くならずに、さらりと描く。

もちろん、映画の中で明かされるある秘密も伏線として出てきたが、その辺はオチがつけられないので、投げっぱなし。先に映画を見ていたからこそ納得できたが、そうじゃなかったら、ツッコミをいれたくなったかもしれない。

映画では描ききれなかった内容をじっくりと描くアナザーストーリーであっても、やはり映画の内容を補完するための、ノベライズを脱し切れていない感じ。決して、つまらなくはないのだが、やや物足りなさも感じる。






個人的採点:60点