青鳥 チンニャオ 著:ヒキタクニオ
青鳥 チンニャオ
ヒキタクニオ:著
光文社 ISBN:4-334-74072-3
2006年6月発行 定価560円(税込)
いろいろな人種の人たちが働く、日本の外資系企業で、トラブルに遭遇する台湾人キャリアウーマンの姿をユーモアを交えて描く、ヒキタクニオの「青鳥 チンニャオ」を読み終わった。
台湾に里帰りしていた小葳(シャオウェイ)は、日本に戻ってきた直後に…勤め先の外資系企業で会社の理不尽さや、人種の壁に直面。そんなときにEトレードのCD-ROM製作に携わることになったのだが、こちらでもトラブルが続発。仕方なしに上司に泣きつくと、トラブルを円滑に解決するため、統括部制作庶務課の藤原統括部長と田主丸が助っ人にやってきたのだが…。
小説の方は読んでないんだけど、映画で見た「鳶がクルりと」で描いていた、昔堅気の職人の中に飛び込むやり手のキャリアウーマンの話を、インターナショナルにした感じの話でしたね。それぞれの文化の違いを乗り越え、自分の主張を通しながらも…それと同時に譲り合う、歩み寄る精神も必要不可欠だというのを実感させられる内容。小葳や他の外国人の視点に立つと、普段、見過ごしているような、日本人特有のダメさも凄く理解できます。
セクハラ、差別発言などを露骨に描いているのに、語り口がさわやかなのはけっこう意外に感じる。藤原統括部長ほか、脇役の在日外人たちの奇抜さがとにかく可笑しい。
個人的採点:65点