そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎ノート 著:はやみねかおる | 105円読書

そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎ノート 著:はやみねかおる

そして五人がいなくなる 
名探偵夢水清志郎ノート

はやみねかおる:著
講談社 ISBN:4-06-275433-9
2006年7月発行 定価560円(税込)








青い鳥文庫の児童向けミステリーとして人気のはやみねかおるの名探偵夢水清志郎シリーズに初挑戦。さすがに、青い鳥文庫に手を出すのは気が引けたんだけど、通常の講談社文庫で再版してくれると、大人でも手に取りやすい。なんかライトノベル感覚で買えますよね。はやみねかおるは、講談社ノベルスで出ている虹北恭介シリーズと、「僕と先輩のマジカル・ライフ」を読んだことはある。初出は1994年…巻末には宮部みゆき、田中芳樹といった有名作家の応援メッセージが多数収録されているのが良い。

家の隣の洋館に、引っ越して来た…名探偵の夢水清志郎。年齢不詳、常識ゼロのこの自称名探偵と家族くるみで付き合うようになった、亜衣・真衣・美衣の岩崎三姉妹。夏休みのある日、清志郎を誘って出かけた遊園地オムラ・アミューズメント・パークで、衆人環視の中、伯爵と名乗る怪人が、まんまと女の子を誘拐してしまった!さらに伯爵からの予告通り、連続誘拐事件へ発展。警察の捜査が行き詰まってしまったにも関わらず、清志郎はすでに謎はわかったと、調査を途中でほっぽり投げてしまう…。

てっきりお子様向けと思いきや、虹北恭介以上に本格推理小説していて、こっちの方が大人が読んでも面白いや。ミステリをはじめ、エンターティメントなウンチクも適度に盛り込まれ(お子さんには、巻末の小ネタ解説は必要かもしれないけど、大人だったらなくても大丈夫だしね)意外とドキドキする。

普段、ひねくれた推理小説を読んでいる人たちには、確かに物足りない部分もあるが、フェアな伏線がいっぱいで、推理する楽しさっていうのが味わえる。

子供向けだから、簡単なトリックで手抜きをしたっていいわけではなく…子供向けだからこそ、しっかりとしたロジックを組まないと、インチキをすぐに見破られてしまう。有名推理作家の大御所たちが、推薦コメントを書いているのも、大袈裟ではないなぁとあらためて実感させられます。

他のシリーズも、今後は講談社文庫で再版されるのかな?そういうのを105円で見つけたら、率先して読んでみようと思った。






個人的採点:65点