イヴゼロ The Beginning EVE 著:山田桜丸
イヴゼロ The Beginning EVE
山田桜丸:著
エンターブレイン ISBN:4-7577-0004-0
2000年5月発行 定価672円(税込)
この間読んだ「EVE burst error PLUS サヨナラキョウコ、サヨナラセカイ」同様、人気アドベンチャーゲーム、EVEシリーズのゲームにはないオリジナルストーリーを描いた小説版。作者の名前が前回と違うが…桜庭一樹が過去に使用していたもう一つのペンネームなんだそうで、同一人物。書かれた時期も、作品の時系列的にも…サヨナラ~よりも前のもの。
桂木探偵事務所の所長代理…天城小次郎は、同じく署長代理の桂木弥生に促され、退屈な浮気調査に出かけるのだが…対象者の女性が、ただの不倫のように見えずどうにも怪しい。そして不審がる小次郎の予感が的中し…思わぬ事件へと発展していく。一方、警視庁公安部の法条まりなは、半年かけて捜査をしてきた密航商売の摘発に向け、鹿児島沖の海上で…不審船を追いかけていた!
ゲームの方でもゲーム1作目の前日談を描いていた「イヴゼロ」だが、それよりもさらに遡っての物語ということで、今回の方があまりゲームに話が密接にかかわってこないので、小説としては読みごたえがあったような気がする。といっても、事件が解決するあたりは、サヨナラ~同様に、物足りなさは感じる。
ゼネコン事件に、密航者を乗せた不審船…さらに偽札事件と、作者が90年代に実際に起きた事件をモデルに、それらをみんな並べてみたとあとがきでも語っていたが…ゲームを含めた他のEVEシリーズに比べると、妙にリアルで異色な感じもした。
個人的採点:65点