EVE burst error PLUS サヨナラキョウコ、サヨナラセカイ 著:桜庭一樹 | 105円読書

EVE burst error PLUS サヨナラキョウコ、サヨナラセカイ 著:桜庭一樹

EVE burst error PLUS
サヨナラキョウコ、サヨナラセカイ

桜庭一樹:著
エンターブレイン ISBN:4-7577-1547-1
2003年9月発行 定価672円(税込)








開拓中の桜庭一樹の作品を読む…人気アドベンチャーゲームのその後を描いた、小説版のオリジナルストーリー。自分もEVEシリーズは、セガサターン(懐かしい…PS2のリメイク版や新作はプレイしてない)とかでハマってたくちなので、久しぶりに、お馴染みのキャラと触れて、なんだか懐かしい。

天城小次郎や法条まりなが巻き込まれた、中東の小国エルディアに関する、“トリスタン号事件”から一週間後…事件は解決し、それぞれ普段の生活に戻り始めていたのだが、小次郎のもとに、エルディア女王プリシアから助けを求める電話が!また、件の事件の最中に出会った、教育監視機構の捜査官・氷室恭子は捜査官を辞め、小次郎の探偵事務所へ助手として転がり込んでいた…。

「EVE burst error」の概要なども作中で語られていたので、忘れていた部分も直ぐに思い出せた。

お色気、ギャグ、アクション、サスペンスとゲームの世界観を思い出す、雰囲気はよく出ている。マルチサイトが売りのゲームの小説版だけあって、しっかりとキャラの視点が変わり、同じシーンが重複されるなどのお約束もあった。ただ、物語の広がりは、ゲームほど奥深くはなく、あっさりとした感じで、シリーズをプレイしている人たちに向けた、サプライズなおまけ程度の印象。あっ、もう結末なんだという感じで、ささっと話は展開されてしまう。

サスペンスな物語よりも、どちらかというと氷室恭子という脇役キャラの側面を描くことに…作者としては力を入れているようで、ゲームでプレイした時よりも、人間味を感じるようになっている。自分が想像していたよりも、意外とかわいくて、お茶目なキャラだったのね、氷室恭子って。

真犯人と対決する小次郎とのアクションシーンなど…相変わらず格闘好きの著者らしいリアルな描写が味わえる。こういう文章を見ていると、女性作家だと思えないよね。実際に格闘技をやってる著者ならではだろう。

著者は他にもEVEシリーズの小説を手がけているので、今後も古本で探してみようかなって思った。ゲームのノベライズだけど、ファミ通文庫なのでライノベというジャンルにしておく。ちなみに、入手困難みたいで…Amazonのマケプレでは定価の倍くらいの値段で取引されていた。自分はもちろん105円でGET。






個人的採点:60点