いま、殺りにゆきます 実話恐怖譚 著:平山夢明 | 105円読書

いま、殺りにゆきます 実話恐怖譚 著:平山夢明

いま、殺りにゆきます 実話恐怖譚

平山夢明:著
英知出版 ISBN:4-7542-3026-4
2006年9月発行 定価630円(税込)









昨年「独白するユニバーサル横メルカトル」で話題になった平山夢明の、実話もの…表題作を含むショートストーリーが36編収録されている。この作者を読むのがはじめてであり…実はこの間「「独白するユニバーサル横メルカトル」も100円コーナーで見つけたので、どんな作品を書く人なのか試してみようと、手軽な文庫本の方から先に手を出してみることにした。ネーミングのセンスはけっこう好きです。

36編もあるので、気になった作品をいくつか取り上げてみる…。


医者嫌い…近所の医者が怪しくて信用できず、大きな総合病院へ行った女性が、なかなか順番が回ってこず、やっとこ診察が終った後に体験した恐ろしい恐怖とは?

これ、入院中の家族を見舞いに、病院へ行った時に、ちょうど読んでたのね…タイムリーすぎて思わずゾクリ。その辺にいる医者や看護婦を思わず疑いの目で見てしまったよ。病院ほど、無防備に人の出入りするところはないもんね~。それでいて、自分の命を預けているのに…白衣を着ているってだけで、相手をつい信用しちゃうもん。ああ、怖い…。でも、こういうのはやっぱり若い女性とか、金もってそうな年寄りなんだろうなぁ、狙われるのは…その点、みためオタクな貧乏フリーター(笑)ならちょっとは安心かな。


大土星王
…ブームのブログをはじめたOL、最初は更新が楽しかったのだが、次第に変な書き込みが増え、別のサイトにくら替え。それでも、嫌がらせはとまらず…ブログをやめてしまった。気分転換に旅行に出かけたのだが…帰ってきた彼女を待ち受けていた恐怖とは?

ブログネタ…これと一緒に、ネットオークションで遭遇した恐怖「おまけ」も、自分にはゾゾゾな感じ。ネットは万能、使い方次第ではお金儲けなんかも簡単にできる反面…まだまだアンダーグラウンドな世界がいっぱい広がっているんだなぁ。こんなの読んだら、2ちゃんねるの書き込みなんてカワイイもんだって思えてくるよ。最近は、ブログを活用するアイドルとか芸能人の利用も増えてるけど、ああいう人たちには、変質的なファンも多いから、気をつけた方がいいよね~。



中には、1ページ足らずの作品なんかもあるのだが、もうちょっと長い、3~4ページ以上あるもののほうが、個人的には面白いもの、怖いものが多かったかなって感じですね。

「医者嫌い」のあたりまで、病院で読んでいたんだけど…最後の方は、夜中に自宅のベッドの中で読んだ。そしたらさ…自分が住んでるのは駅前だけど住宅街なのね。でも、線路を隔てた反対側は街の繁華街…そこから奇声が聞こえてきたりね~。ヤのつく人がいっぱいいるから、いつもは気にならないんだけど、やっぱ不気味だったは。さらに、部屋で物音がすると、ビクっとしちゃう。被害にあうのは、酒飲んで酔っ払ってるときが多いということ、若い女の人が多いということ…だから酒好きの若いおねーさんは、やっぱり気をつけましょうねってことですよ。コレ読んで、ゾゾゾとしながら…自分への危機管理に役立てるべきです。


世の中、キ●ガイだらけだね。普通だったら、こんな壮絶な事件が起きてたら、もっと騒がれてもいいんじゃないかと思うんだけど…どこまで本当なのか、ちょっとだけ疑りたくもなる。でも、ある程度は本当なんだろうなぁ。キ●ガイたちの、そういった犯行も恐ろしいのだが、謎が残ったままの未解決事件ばかりなので…警察の頼りにならない無能さも、リアルでちょっと怖い。分かっていたけど、ここまで無能だとはね…。

余談だが…自分は、本を読むとき、外に持ち歩くときは、表紙カバーが重くて、邪魔っけなので、取り外して読むことが多いのだが、この本のカバーを外したら、文庫本の背の部分に、“血のようなシミ”が何故かついていた…。なんで、こんな内容の本に限って、こんなとこにシミがついてんだよ~。前の持ち主、どんなヤツだろうと…これまたちょいビビったっす。






個人的採点:70点