メモリアノイズの流転現象 ソウルドロップ奇音録 著:上遠野浩平 | 105円読書

メモリアノイズの流転現象 ソウルドロップ奇音録 著:上遠野浩平

メモリアノイズの流転現象
ソウルドロップ奇音録

上遠野浩平:著
祥伝社 ISBN:4-396-20805-7
2005年10月発行 定価880円(税込)








昨日に引き続き上遠野浩平のソウルドロップシリーズを読んだ。この人のシリーズ作品は、設定が奇抜なので、最初はとっつきにくいんだけど…慣れると、その世界観にけっこうハマってしまう。このシリーズも、ようやく2巻目で方向性が確認できて、物語を楽しめるようになってきましたね。

私立探偵・早見壬敦は、ある筋からの依頼で、資産家・杜名賀家の娘が遭遇している離婚の調停役を任せられ、はるばるやってきたのだが…その道すがら、アメヤと名乗る奇妙な男に遭遇した。そして、いざ杜名賀家を訪れた早見は、21年前に杜名賀家が巻き込まれた殺人事件の真相を探り始めることに…。それと同時期に、杜名賀家で爆破事件が発生。現場から、神出鬼没の怪盗ペイパーカットからの予告状も見つかったことから、サーカム保険の調査員、伊佐俊一と千条雅人も参上するのだが…。

神出鬼没の謎の怪盗ペイパーカットを追いかけながら(SF&ファンタジー的要素)、偶然遭遇してしまった別の事件を(論理的に)解いていくというのが、パターンのようですね。今回は、地方の資産家が20年以上前に巻き込まれた殺人事件の真相を解く。シリーズを通した全体的な物語の中ではまるで8マンのような設定のロボット探偵が出てきたり、超能力もどきな怪しげな能力を使う輩が出てきたりするんだけれども…とってつけたような別の事件の方は、意外と地に足のついた物語なんだよね。

設定に慣れてしまったからなのか、それとも事件の内容が古風だったからなのか…1作目よりも普通に物語に入り込めましたね。

早見とい新キャラも登場…実は前作から登場している東澱久既雄の関係者だったりして、色々とシリーズ全体の謎に満ちた設定や物語は、まだまだ全貌が見えてこない状態。意味深な発言や行動をするキャラとかも出てきてね…今後どうなることやら。

今回は続けて2冊読んだから、こういうややこしい設定も覚えていられたが、時間があいちゃったら、ちょっとテンションが下がりそうだなぁ。あまり長引くシリーズにして欲しくないっていうのが正直な気持ち。既にこのシリーズの3冊目も出ているらしいので、さっそくブックオフの100円コーナーをチェックしなければ!






個人的採点:65点