ヒート アイランド 著:垣根涼介 | 105円読書

ヒート アイランド 著:垣根涼介

ヒート アイランド

垣根涼介:著
文芸春秋 ISBN:4-16-768601-5
2004年6月発行 定価710円(税込)









巻末の解説を大沢在昌が担当していたので、読んでみる気になった。映画化も決定しており、今年中に公開予定なのだとか。渋谷を舞台にストリートギャングと強盗団の対決にヤクザが絡んできて三つ巴、四つ巴の乱戦となる…。2001年のハードカバーを文庫化したもの。

渋谷でストリートギャングを束ね、ファイトパーティーを主催するグループ雅。そのリーダー格のアキとカオルはその日もパーティーを成功させた。しかし、翌日になって仲間がとんでもないトラブルを抱え込んできた。酔った勢いで襲ったオヤジから、カバンを引っ手繰ってきたのだが、中には千万単位の現金が入っていたのだ。実はそのオヤジの正体は…ヤクザが非合法で経営するカジノバーを襲った強盗犯の一味。強盗犯も現金を取り戻そうと、雅をマークする。一方、カジノを経営していたヤクザたちも現金の行方を追っていた…。

「ファイトクラブ」かと思ったら「トゥルーロマンス」だったみたいなお話(笑)出てくるのはアウトローな男ばかりだけど…キャラクターの描き分けがよく出てきて、それぞれに手抜きがない。映画で言うとタランティーノ、トニー・スコットばりに多数の物語・視点が交差するが…終局へ向かって一つになっていくあたりが、なかなか鮮やかであり、スリリングで読み応えあり。確かに、これは映像化向けの題材だね。

最初こそキャラクターがいっぱい出てくるので、ややこしい話かなって危惧したが…頭を空っぽにして、楽しめるエンターテイメントに仕上がっていた。解説の在昌センセも言っていたが…続編を期待させる感じのラスト。






個人的採点:70点