どきどきフェノメノン 著:森博嗣
- どきどきフェノメノン
森博嗣:著
角川書店 ISBN:4-04-788181-3
2006年10月発行 定価880円(税込)
森博嗣の新し目の新書を安くGETできたと思ったら、2005年にハードカバーで出たものを、新書化したものだった。一応、裏表紙のあらすじに、“ミステリィ&ラヴ・ストーリィ”と書かれていたのですが…ミステリィといっても殺人事件や超常現象が起きるわけでもなく、ほとんどラブストーリーの方がメインですね。
大学院に在籍する24歳の窪居佳那…指導教官の助教授に片想いして、挙動不審な行動をとり、同じ講座の後輩たちからは、何かと熱い視線が注がれる。また、父の友人である謎の僧・武蔵坊がある一定の周期で、食を求めてやってくる。そんな佳那のいくつかある悩みのひとつが、酒を飲むと記憶をなくしてしまうということだ!
目覚めたら見知らぬ男の部屋だった!?泥酔時の失った記憶を求めて、周囲の人間から聞き出した、その時の状況から、自分の記憶をたどっていくという…一応、謎解きらしき部分があったりもするのだけど、変に頭がいいくせして、常識や恋愛については小学生並の知識・思考回路しか持ち合わせていない、非常識なヒロインの、妄想的な言動、行動がダラダラつ綴られていく…。
で、終ってみれば…本当に、小学生、いや幼稚園児の初恋話を聞かされているようなお話であり、だからどうしたといいたくなってしまう結末。とにかく、今回ばかりは著者特有の理数系な表現(&寒いオヤジギャグ)も、ただただ回りくどいばかりにしか感じなく、展開がやたらと退屈だった。森博嗣の別シリーズで、犀川&萌ちゃんシリーズとか、紅子シリーズとかも、きっとあれで、殺人事件が起きなかったら、ただの奇人変人、非常識人間大集合の、意味不明な物語ってことなんだろうなぁって思いました(笑) 名前を変えただけで、なんか他のシリーズに出てるキャラと、性格などがかぶりまくってる。
個人的採点:55点