バッテリーⅢ 著:あさのあつこ | 105円読書

バッテリーⅢ 著:あさのあつこ

バッテリーⅢ

あさのあつこ:著
角川書店 ISBN:4-04-372103-X
2004年12月発行 定価540円(税込)









続けて読んできた「バッテリー」シリーズも、自分の手持ちのストックが、これでなくなってしまいました(笑)次巻以降を古本でGETできるのはいつのことだろう…。きっと、前巻と所有者一緒ですね…同じ時期に、同じ店で買った記憶があるので…今回も、もうおなじみになってしまった、鉛筆書きによる振り仮名があった。心なしか、頻度も減ってるし…振り仮名の間違えも1個しかなかった(笑)ああ、これは本文の感想とまったく関係ありません…詳しくは昨日の文章を参照してください。

新学期早々、巧や豪を含む、一部の野球部員が起こした騒動で…活動停止中だった野球部。夏休明けから、本格的に部活動再開の運びとなった。野球が出来ることの喜びを感じる巧と豪、他のメンバーたち…監督の戸村の計らいで、レギュラーチームと、巧&豪のバッテリーを中心とした1・2年生のチームが紅白戦を行うことに。

ようやく野球ものらしくなってきました…ただの練習試合だけど、ここまでドラマチックにストーリー展開させられると、やっぱり物語に入り込んでしまう。実は、自分も高校時代に野球を少々やってたんだけど…どちらかというと島本和彦の「逆境ナイン」みたいなチームでして(笑)そんなんでも、あの頃の思い出が、読んでるうちにフラッシュバックしてくるんですよね。

さらに、新たなライバルが現れてきて…生意気な巧が、とんでもない宣言するので、ハラハラドキドキさせられますね。相変わらず友情だとか、大人の事情で少年たちは悩まされるわけですが、野球のシーンが多いので2巻目ほど説教臭くなく…今までとはまた違ったエンターテイメントとしてテンポのよい読み物になっていたと思った。アメリカのTVドラマみてぇに、すげーいいところで終ってるのが憎い。

その代わり、文庫版のための書下ろし新作として…主人公・巧の弟で、いつも絶妙なタイミングで場の雰囲気を和ましてくれる、作品のオアシス的(笑)キャラクター青波くん視点による、ちょっと珍しい彼の心の葛藤の様子が詳細に語られている、短編が収録されている。兄貴のことをどんな風に思っているのかが、いつも以上に分かりやすく伝わってくるお話だった。






個人的採点:70点