ラミア虐殺 著:飛鳥部勝則
ラミア虐殺
飛鳥部勝則:著
光文社 ISBN:4-334-07542-8
2003年10月発行 定価860円(税込)
2ヶ月くらい前に読んだ「レオナルドの沈黙」に続き、飛鳥部勝則を読んでみる。“長編本格推理”と謳ってはいるが…ちょい微妙なネタでしたよ。決して嘘はついてませんが、本格好きからは、嫌煙されそうなオチです。
巷では怪物の目撃情報が多数報告され、話題になっていた…。探偵の杉崎は、突然、彼の前に現れた謎の美女、美夜からボディーガードの依頼を受け、吹雪の中、彼女の住む、山奥の邸に一緒に向かうのだが…ついた途端に、首吊り自殺の現場に遭遇。その現場で奇妙なメッセージを記したカードが発見された。果たして、本当に自殺なのだろうか?猛吹雪の中、電話は通じなくなり、唯一にの移動手段であった雪上車が破壊され、さらに、次々に邸に滞在している人間が殺されていく…。しかし残された者たちは犯人探しにあまり積極的ではなかった…。
冒頭の序章部分から…UMAの存在を匂わせています(笑)思わせぶりに色々書いてるんだけど、秘密にも何にもなってなくて、ひっぱたわりに、だから何なの?と言いたくなってしまう設定であった。
で…しっかりと、嵐の山荘系で、連続殺人も起きてるんですけどね、緊迫感に欠ける展開です。冒頭こそ、謎の美女に誘われるまま、のこのこ山奥のお屋敷に向かってしまう、しかも猛吹雪の中で、孤立化してしまうという、強引だけどベタで古風な展開に期待はしたんですけどね…なんだかダラダラしてました。
確かに、探偵が色々と推理をし、犯人探しや事件の動機を探ったりするんだけれども…奇天烈な設定のわりに、凡庸な内容で犯人やトリックもわかりやすく、全体的にパっとしませんでした。設定こそ斬新なんだけどね、オーソドックスな“本格推理”を期待していた自分にはイマイチでした。
個人的採点:55点