にんげん はじめました 著:吉岡平 | 105円読書

にんげん はじめました 著:吉岡平

にんげん はじめました

吉岡平:著
朝日ソノラマ ISBN:4-257-77052-X
2005年1月発行 定価500円(税込)









最近、ちょこちょこ読んでいる吉岡平の「にんげんはじめました」を読んだ。表紙のイラストは、ちょっとアレだけど…タイトルに妙に惹かれた。

群馬県I市は、突然…不思議な結界のようなもので覆われ、外界と隔絶されてしまった。中に閉じ込められた市民は、脱出を試みるが、一切適わなかった…。次第に食料も尽きはじめ、治安も悪化してきた。偶然、取材でこの地を訪れていたフリーライターの小城陽一は、外の世界に残してきた家族に会いたい一心で、何度も諦めずに脱出にチャレンジしており、今も、たまたま乗車したタクシーの初老の運転手・佐伯と共に脱出に挑んでいる最中だった。そんな二人の姿を、人形のような少女エリンが、これまた怪しい化鳥のベスナールを従えて見つめていた…。

神か、悪魔か…異形のものたちが、人間界に出現してしまったために、街全体に結界が張られ、人間たちが閉じ込められてしまったということなのでしょう。その中で、化け物たちが人間社会に密かに入り込んで、何か悪事を働かしていると…。反対に、それを阻止しようとやってきたのが…エリンとベスナール。そして、その秘密を知った一部の人間たちが、どうにか状況を打破して、街からの脱出をしようと悪戦苦闘するお話です。「ラーゼフォン」+「コンスタンティン」+「妖怪人間」みたいな感じかなぁ(笑)とイメージしてみたり。

戦争やら災害を起こす代わりに、異形のものが降臨しちゃったってことなんでしょうね。食べ物がなくなり、街は無法地帯になる。人びとは精神的にも肉体的にも衰弱していき…警察や自衛隊だってろくに機能しなくなる。地方都市で起きた惨事を、ファンタジーに置き換えて表現しているのだと思います。

実は続きもので、この本だけでは完結しないことが判明。だから、作品の秘密とかもまだほとんど、明かされていません。とりあえず、キャラクターがみんなクセモノなので、暗くて、ハードな話なのにワイワイしてて楽しいです。既に、続編も出ているようなので…また100円コーナーで探します。






個人的採点:60点