ラッシュライフ 著:伊坂幸太郎
ラッシュライフ
伊坂幸太郎:著
新潮社 ISBN:4-10-125022-7
2005年5月発行 定価660円(税込)
伊坂幸太郎の「ラッシュライフ」を読む。人気作家だけあって、なかなか古本屋の100円コーナーで見つけることができないので、自分は「陽気なギャングが地球を回す」以来、ようやく2冊目です。
パトロンと一緒に客に会いに行く途中の若手画家の志奈子、空き巣専門の泥棒・黒澤、父親の自殺で宗教にハマった若者・河原崎、リストラされた中年・豊田、愛人と一緒に相手の妻を殺そうと企むカウンセラーの京子…そして巷で流行っているらしいバラバラ殺人の謎は?
巻末で評論家の先生も書いていましたが…タランティーノの「パルプフィクション」とか「ジャッキー・ブラウン」を彷彿とさせるような、群像劇タイプのクライムサスペンスですね。絶妙な構成力で、摩訶不思議な物語に仕上げていますが…上手すぎちゃってビックリ仰天するほどのどんでん返しではなかったかな?途中でもしや?と思った通りの展開にピッタリとハマっちゃって…あまり騙された気分にはならない。
伊坂作品は2冊目なんで偉そうなことはあまりいえないけど…各キャラクターの発するセリフの面白さなんかは「陽気なギャング~」にも通じる。でも、作品全体のテンポは、自分は「陽気なギャング~」の方が好きですね。テンポがイマイチだった。
こんなことを書いたら、伊坂ファンに怒られてしまうかもしれないけど、戸梶圭太の作品を、少しだけ文章を上品にしたような内容だったかなって思った(笑)
個人的採点:65点