Kの日々 著:大沢在昌【新刊購入】 | 105円読書

Kの日々 著:大沢在昌【新刊購入】

Kの日々
 
大沢在昌:著
双葉社 ISBN:4-575-23566-0
2006年11月発行 定価1,785円(税込)









今回は新刊購入です…古本購入の積読本を後回しにしてでも、読みたくなってしまう大沢在昌センセの最新刊。「新宿鮫Ⅸ 狼花」の刊行から、1ヶ月ちょっとで在昌センセの新刊が読めると思わなかったので、ビックリだ!?

アンダーグラウンドで探偵まがいの仕事をしている通称・木(もく)は…雑貨店“K's Favorite Things”の女店主ケイを調査していた。3年前に起きた、誘拐事件絡みで、彼女が隠し持っているはずのあるものを探し出せというのが依頼だ…。調査をするうちに、ケイに惹かれ始める木は、彼女に近づいたことで、さらに事件の深みにハマっていく…。

近作の「新宿鮫Ⅸ 狼花」に比べると、ややこぶりな印象を受けるが、相変わらず主人公やヒロイン、脇役に至るまでのキャラクター造形が魅力的。特に、男の読者が惚れるようなヒロインを生み出すのはピカイチですよね(笑)主人公の木が、ヒロインのケイに対し身体だけを求めてるんじゃなくて、その先にある精神的なものを求めたくなっていくという…妙に純なラブストーリー具合が、泣かせますよ。女は別の男に惚れているのに、その真っ直ぐなところに惹かれて、自分の命を賭けるというのが、なんともハードボイルドで魅力的。

裏社会の悪たちが、皆で騙しあい、その中でポツンと一人、堅気の女が紛れ込む。誰が3年前の事件の裏切り者なのかという…犯人探しで、グイグイと引っ張るのだが、決して本格推理小説ではないので、ラストのどんでん返しの部分はちょっと弱いような気もする。ただ、本格ものに出てくるような真犯人みたいに、無理のない、いかにもハードボイルドな理由づけがされているところはさすがです!

テンポもよく…クライムサスペンスとして安定した面白さが味わえた。






個人的採点:75点