南方署強行犯係 黄泉路の犬 著:近藤史恵 | 105円読書

南方署強行犯係 黄泉路の犬 著:近藤史恵

南方署強行犯係 黄泉路の犬

近藤史恵:著
徳間書店 ISBN:4-19-850676-0
2005年9月発行 定価860円(税込)









近藤史恵の「南方署強行犯係」シリーズの2作目…前作の「狼の寓話」ではDVを扱ったこのシリーズだけど、今度はアニマル・ホーダーというちょっと耳慣れない言葉がテーマ。動物愛護がエスカレートしてしまい、逆に動物の虐待へと繋がってしまう人のお話。

新人刑事の會川圭司が、南方署の強行犯に配属されて3ヶ月…若い姉妹が暮らす家に空き巣が入り、犯人と鉢合せしてしまうという強盗事件が発生。被害者は軽い怪我を負ったものの、金品の被害も少なかったのだが…ただ一点、愛犬のチワワを連れされれてしまったことに大きなショックを受けていた。犯人の手がかりがつかめないまま数ヶ月…思わぬところでその手がかりが発覚。被害者がインターネットで情報を募っていたところ、犬を保護したという情報が寄せられたのだ。しかし、既に飼い主と名乗る人物が連れ去っていた後だった…。確認のため調査に乗り出す會川と先輩の女刑事・黒岩のコンビだったが…その連れ去った謎の人物を捜査中に新たな事件に遭遇する…。

著者なりの、動物愛護への考えがかなり強調されているのだが、実はペット嫌いなので、へ~そうなんだと冷めた目線で読んでしまう所も多々あり。ただ、ペットへの人間のエゴイズムと、人間の子育てを対比させるなど、ペットに興味がなくても読ませるような工夫がされていた。會川くんの先輩である、クールな女性刑事、黒岩に…家庭のゴタゴタが勃発。甥っ子への母性愛が目覚めることで、黒岩が苦悩する姿が描かれていく。家庭のゴタゴタが捜査中の事件にも関わったりすれば、もっと面白かっただろうに…。






個人的採点:65点