松浦純菜の静かな世界 著:浦賀和宏 | 105円読書

松浦純菜の静かな世界 著:浦賀和宏

松浦純菜の静かな世界

浦賀和宏:著
講談社 ISBN:4-06-182413-9
2005年2月発行 定価924円(税込)









だいぶ、貯まっていた浦賀作品もコンスタンスに減ってきました…今までの安藤直樹関連や、作者の分身らしき浦賀和宏ネタとは、また別個のシリーズ展開なのかな?登場人物の中に他のシリーズと同じ名前(名字が明かされなかったので意味深だったが)のキャラも出てきたが、性格とか設定が全く違ったので関係はなさそうな感じだね。

妹と2人でレストランに入ったところ、拳銃を持った暴漢に襲われた八木剛士。妹は意識不明の重体に陥ってしまったが、剛士本人は奇跡的に無傷で生還した…。一方、大怪我を負い、療養中だった松浦純菜は2年ぶりに街に帰ってきたのだが…小学校からの親友、山口貴子が数日前から行方不明に…。知らずに貴子に会いに学校へやって来た純菜は、剛士が同じ学校の生徒であることに興味を持ち、2人は出会った。その頃…二人の住む街では女子高生が被害にあった連続猟奇殺人が起きていた…。

男女二人の主人公の性格や精神構造が、一癖も二癖もあり、問題ありそうなのを除けば、前回読んだ、浦賀作品「透明人間」以上に、わりと普通の推理小説になっていて読みやすい。著者の策略で、やたらと時間軸や視点がぶっ飛ぶが…そのわりに全体は綺麗にまとまり過ぎていて、他の作品に比べ、犯人の予想や事件の真相にたどり着きやすくもあったけどね。ラストで明かされる秘密も、前半を読んだ時点で想像できるものだった。

お約束になりつつある猟奇的な描写も…しっかりと意味を持っていたね。途中で、死体の解体する描写があったが…過去の作品よりもグロテスクさは抑え気味?

女子高生の事件はしっかりと結末まで描かれているが、剛士くんの遭遇した事件の方は、犯人を見つけなきゃねという感じの流れになっていきます。きっと、この世界観でまた話を続けていくつもりなんでしょう。本屋で、剛士くんの名前がタイトルになっている新刊をちょっと前に見かけたけど、さすがにまだ100円コーナーでは発見できません(笑)

最初のストックは全て読み終わったんだけど、ここ最近、浦賀作品を連ちゃんで読むようになって…もっていなかった作品をまた何冊か仕入れてきた。読み逃している安藤関連の初期のヤツとか他社から出ているハードカバーなど。近いうちにそちらも挑戦してみるつもりだ。






個人的採点:65点