狼花 新宿鮫Ⅸ 著:大沢在昌【新刊購入】 | 105円読書

狼花 新宿鮫Ⅸ 著:大沢在昌【新刊購入】

狼花 新宿鮫Ⅸ

大沢在昌:著
光文社 ISBN:4-334-92518-9
2006年9月発行 定価1,680円(税込)









これは新刊で買ってしまった…。そして他の貯まっている本も無視して真っ先に読んでしまった、大沢在昌センセの新宿鮫、シリーズ9作目。金銭的にハードカバーなんでけっこう辛いんだけど、古本まで待てないよ(笑)

新宿中央公園で起きたナイジェリア人同士のささいな傷害事件…しかし被害者のナイジェリア人も大麻を所持していたことから、鮫島は取引のもつれが原因ではないかと疑い始め捜査を開始。その流れで、組織的に盗品を売買している、“泥棒市場”の情報を掴むのだが…そこに鮫島が長年追い続けていた、犯罪者・仙田の影がちらつく…。さらに外国人犯罪の一掃を画策するキャリア警官・香田が…強引な計画を進めていた。

因縁のキャリア同期・香田や、ライバル的存在の犯罪者・仙田など…シリーズを通して何度となく描かれてきた鮫島の仇敵たちがついに動く!そして衝撃的な結末になだれ込む!仙田の正体などもシリーズをずっと読んでる人には、なかなか興味深く読めるだろう。最近は、恋人の晶ちゃんとの仲がギクシャクしている鮫島だが…そっちの方はとりあえず現状維持?今回も作品の方にはあまり絡んでこず。そろそろ、こっちの方も進展・決着をつけていただきたいですね、在昌センセ!

確かに、最近はニュースを見ても、犯人の名前がカタカナって事件が山ほどある。日本が国際化社会になるのと比例して犯罪も国際化しているのは事実なわけで…それを食い止めるにはどうしたらいいかというのが、今回の大テーマ。外国人同士のいざこざが発端だったが、鮫島が行きつく先は、もの凄く壮大なお話だ。しかし、そこへ持っていくまでの展開が、わざとらしくならないのは、やっぱり大沢在昌らしい、リアルで緻密な設定のおかげだろう。

シリーズ初期ほど無茶な行動はしないのは、それだけ鮫島も年齢を重ねていっているからだろう。それでも相変わらず、特殊警棒でチンピラと格闘し、ニューナンブもしっかりぶっ放すのを見て、やっぱり“新宿鮫”だなぁと感じます。






個人的採点:80点