アフナスの貴石〈クレギオン6〉 著:野尻抱介 | 105円読書

アフナスの貴石〈クレギオン6〉 著:野尻抱介

アフナスの貴石〈クレギオン6〉

野尻抱介:著
早川書房 ISBN:4-15-030767-9
2004年9月発行 定価714円(税込)









前回に続き、ハヤカワの再リリース版、クレギオンを読む。そろそろシリーズも終盤に近づいてきた6巻目に突入。話は毎回、単発なので…巻数の順番が多少前後しても問題はなさそうだが、やっぱりシリーズものは順番に読みたいよね。

突然、「会社をたたむ」と言い残し、行方をくらましたミリガン運送の社長ロイド…もちろん所有していた宇宙船アルフェッカ号も売り飛ばされてしまった。パイロットのマージと、見習航法士メイの2人は突然の解雇に呆然とし、行き場まで失ってしまった。そんな時、アルフェッカ号をジャンク屋から購入した新たな船主クランとアルチナが現れるのだが、素人にはそう簡単に乗りこなせないのがアルフェッカ号。マージとメイはクランたちに雇われて、古巣のアルフェッカ号になんとか戻ることができた。しかし依然として、ロイド行方不明中。二人の仕事を手伝う傍ら、ロイド探しを継続しようと考えるのだが…。

シリーズの顔ともいえる、ロイドの失踪というミステリアスな幕開け。ロイドの出番が極端に少ないので、いつもと雰囲気がかなり違うか?ただ、ここ数巻は、SFというよりは、ドタバタコメディ色が強かっただけに…後半の、謎の生命体とのファーストコンタクトの様子など、かなりSFらしい仕上がりになっていて読み応えあり。出番は少ないくせに、チャランポランなロイド節は全快で、思わずホッとさせられるオチに思わず爆笑。せっかく主要キャラの不在なんて冒険をしたのだから…その部分で緊張感あるサスペンスが紡ぎだせればもっと面白かっただろうに、そこだけがやや物足りないか?

このシリーズは良くも悪くも、ロイドというお茶目なオヤジキャラに引っ張られているのが、いまさらながらに納得できた。






個人的採点:70点