ST 警視庁科学特捜班 黄の調査ファイル 著:今野敏
ST 警視庁科学特捜班
黄の調査ファイル
今野敏:著
講談社 ISBN:4-06-182350-7
2004年1月発行 定価777円(税込)
前にも何冊か読んでいる、今野敏のSTシリーズ…「黒いモスクワ」をすっ飛ばした以外は、1作目から順番に、この作品の前作「赤の調査ファイル」まで読んでいるのだが、ようやくその後のシリーズも読み始めてみる。
古びたマンションの一室で、宗教団体の若い信者4人が、練炭で集団自殺を行った。検死官も自殺と断定するのだが…現場の状況に不自然さを感じたSTメンバーは、調査続行を懇願。所轄の捜査員と、若者が属していた宗教団体「苦楽苑」の捜査に乗り出す…。すると教団内部で幹部の対立が起こっていたり、自殺したメンバーとよく行動を共にしていたメンバーが現れたりと、次々に容疑者が浮上。STメンバーは、検死官の下した自殺を覆し、真犯人を突きとめることができるのか?
前にも宗教団体を題材にした事件を描いていたが…前ほどオカルティックな内容ではない。ただ、STメンバーで、僧侶の山吹が、いつも以上に活躍。葬式や法事で足を痺れさせながら聞く、坊さんの説法のごとく…仏法用語満載の説教くさい会話がやたらと多く、今までとはまた違った作品になっていた。
せわしない日常で物事を見つめ直して、本質を見抜くことの大切さ…そういうのがなんとなく感じられる。
それにしても、ここ最近は…自殺を題材にしたミステリー小説をよく読むなぁ。まぁ、コレは…ぶっちゃけ、偽装だったわけだけど。
個人的採点:65点