香港アクションスター交友録 著:倉田保昭
香港アクションスター交友録
- 倉田保昭:著
洋泉社 ISBN:4-89691-825-8
2004年6月発行 定価1,680円(税込)
今なお、アクションスターとして国際的に活躍する倉田保昭氏が、新人時代からの香港映画裏事情を赤裸々に綴った1冊。倉田保昭本人の破天荒なアクション役者人生と共に、今ではあまりお目にかからなくなってしまったかつてのスター、そして著者同様に今でも活躍する大スターの知られざる素顔を知ることができる。
ブルース・リー、ジャッキー・チェン、ジェット・リー、サモハン・キンポー、ユン・ピョウ、ジミー・ウォング、ジョン・ウー、千葉真一などなど…秘蔵写真と共に!
ブルース・リーにヌンチャクを教えたという話はチラっと聞いて知っていたが、その真相も詳しく本人の言葉で語られている。本当に殴り合っているクンフーシーン、昔はワイヤースタントもCGもなかったので全て生身の人間が演じるホンモノのアクションだったというのを、実際のエピソードを交えて語られる。自分たちの世代なんかだと、ジャッキーをはじめとするクンフースターの映画を、けっこうリアルタイムで見てきているので、確かに今のアクション映画には物足りなさを感じることが多い。あの頃のアクション映画の魅力って何なんだろうなって思うと、やっぱり作り手の送り出す“本気”だったわけですよね。そういうのを裏付ける、ビックリ仰天エピソードが満載なんだ、この本には。
他にもスターたちの豪快な私生活も色々と語られていた。あるスターが来日した時に風俗に連れて行ってあげたとかさ、女遊びのことなんかも、かる~い感じで暴露しまくってるし。ファッションマッサージに行ったユン・ピョウが「この前、ジャッキー・チェンも来たよ」って言われて気分が萎えちゃったとかさ、こんな話を暴露できるのは、やっぱ倉田保昭しかいないよね。他にも、本人の女遊びもチラリと告白しつつ、スターたちのスキャンダルな話題を色々と語っていた。また、黒社会との付き合いも深い香港・台湾映画業界だけに…著者自身がヒットマンから命を狙われたこともあるなんて告白している。2年間、台湾に入れなかったそうだ(笑)
映画の話でも、小説でも何ものでもなく、ホンモノの話っていうのが、やっぱり凄い!香港映画を詳しく知らなくても、こんな凄いオヤジが日本人でいたというのを知れて、楽しいと思う!
個人的採点:75点