ヤングガン・カルナバル 銃と恋人といま生きている実感 著:深見真 | 105円読書

ヤングガン・カルナバル 銃と恋人といま生きている実感 著:深見真

ヤングガン・カルナバル 
銃と恋人といま生きている実感

深見真:著
徳間書店 ISBN:4-19-850694-9
2006年2月発行 定価860円(税込)









新刊で買おうかとも思った「ヤングガン・カルナバル」の3冊目をようやく古本でGET!新刊は既に5巻目まで発売されているようで、1年前に始まったばかりのシリーズだというのに、ライトノベル出身の作家さんの筆の速さには驚かされるなぁ。 高校生の殺し屋が活躍する話なんだけど、緻密な銃器描写や格闘描写が相変わらず魅力的で、こういったところが突飛な作品でも、しっかりとしたリアリティをもたらす。アクション小説として、大人が読んでも充分面白いシリーズだ。

高校生でありながら犯罪組織ハイブリッドの殺し屋である木暮塵八と鉄美弓華。塵八は、同じ漫画研究部のマドンナ的存在、由美子に淡い恋心を抱いているのだが、そこへ謎の転校生、豊平琴刃が割ってはいる!そう、豊平といえばハイブリッドの敵として、塵八たちと敵対する組織と同じ名前なのだが…。さらにボスの白猫からは、中学生の弟子を押し付けられ、彼の訓練をするハメになってしまった。一方、弓華は由美子の妹であり、学校の風紀委員である香埜子の存在を疎ましく感じたので、彼女を遠ざけるつもりで、レズビアンを告白したところ…逆効果で、2人は付き合うことになってしまった…。弓華には他に好きな女の子がいるのに。そんなある日、香埜子が何かの事件に巻き込まれ、弓華に助けを求めてきた…。その頃、塵八も弟子と共にある事件に巻き込まれていた…。

2巻目に続き、またまた新キャラ増殖中…その代わり、最初から出ていたあるサブキャラが無残な殺され方をして退場していった(けっこう好きなキャラだったのに)。関西から助っ人としてやってきた女子高生ヤングガンには、もうちょっと活躍して欲しかったが、きっとこれから出番が増えていくのだろうと、今後に期待をする。

シリーズを通して張り巡らされている伏線も少しずつ触れながら、今回はとある陰謀を引っさげた、謎の武装集団が、ヤングガンの2人を襲う。正体を隠した関係者たちが、主人公たちが通う学校にみんな集まってきちゃうという展開は、多少のわざとらしさも感じるが、この辺はお約束だと思って我慢が必要か?前作は事件中心だったが、1巻目のように…学園ラブコメらしさも盛り込み、日常とアクションのバランスが程よく、ギャップ感が復活した感じ。その代わり、マニアックなオタク知識ネタは激減したかな?(笑)

文章のタッチも読みやすく、かといって内容が薄すぎずという、爽快な読後感は今回も健在。2巻よりよくなり、1巻を読んだ時の面白さが戻ってきたかな?この調子で、次巻も楽しませて欲しい。実は4巻目も古本で入手済みなので続けて読もうかと思っているところ。






個人的採点:70点