魔女の笑窪 著:大沢在昌【古本購入:300円】 | 105円読書

魔女の笑窪 著:大沢在昌【古本購入:300円】

魔女の笑窪

大沢在昌:著
文芸春秋 ISBN:4-16-324590-1
2006年1月発行 定価1,550円(税込)











前回に引き続き、BOOKOFFの単行本300円均一で見つけた、わりと新し目の書籍です。今年の初めに出た大沢在昌の新刊「魔女の笑窪」。新刊で買いたかったんだけど…待ってて良かった♪

裏稼業のコンサルタントとして生計を立てている水原…男を完璧に見抜くという特技を生かし、現在の地位を気付いてきたのだが、そんな彼女には誰にも知られたくない、思い出したくもないある秘密があったのだ。彼女はかつて、厳しい掟で固められた“地獄島”と呼ばれる島から抜け出してきた過去があったのだ。そこで彼女はどんな地獄を見てきたのか?

連作短編のはずだったのだが…後半はではすっかり、主人公が過去と対峙する長編作品を読んでいたかのように錯覚させられる展開。構成の上手さに拍手。いつもは短編だと、それぞれのあらすじとか、細かい感想を書くのだが、これはほとんど長編作品と捉えてもいいんじゃないかと思いますね。

海外のSFドラマで「ダークエンジェル」ってあったでしょ?あれをSFじゃなくて、もうちょっと現実的な設定に置き換えたって感じかな。身分を隠しながら、生活していたんだけど…追っ手に自分の存在がバレてしまうという。

最初は必殺仕事人みたいに、完璧に仕事をこなすクールな主人公なんだけど…段々と過去が判明するにつれ、人間的な部分が描かれていく。さすが大沢在昌という…キャラクターがとっても魅力的に描かれている。主人公もそうだけど、個性的な脇役も光ってるね。ちょろっと出てくるヤクザとか、けっこうカッコいいんだ。

難しい事は何もなく、安心して楽しめる娯楽小説として、一気に読破!






個人的採点:75点