アシャワンの乙女たち 著:牧野 修 | 105円読書

アシャワンの乙女たち 著:牧野 修

アシャワンの乙女たち
アシャワンの乙女たち

牧野修:著
朝日ソノラマ ISBN:4-257-77046-5
2004年11月発行 定価600円(税込)










ジャンル別けするとなんなんだろうな?牧野修なので、SFとかホラーでもいいのかもしれないけど、とりあえず“その他のミステリー”にしておきます。美少女が、化け物と対決するという勧善懲悪な娯楽小説です。作者的にはある特撮作品を意識して書かれたそうですが、今のタイミングで読んでしまうと…人気アニメの「舞-HiME」とか「舞-乙HiME」にも近い内容にも感じる。

全寮制の女子校・私立第四ボロヴィニア学園の中等部二年に進級した木戸美弥は、三人の新しいルームメイトと出会う。美貌と知性を兼ね備えた学年一の美女・白鳥すこやか、格闘好きの小林燐、小学生かと見間違うほどに童顔で小さな身体、小さな声の古府薫。新学期で浮かれる彼女たちだったが…一人の生徒の自殺未遂を機に、不穏な空気が学園内に蔓延る。実はボロヴィニア学園は大きな秘密が隠されていたのだ。古くから繰り返される“絶対の悪ドゥルジ”と、“絶対の善アシャ” という二つの存在が争い…学園はドゥルジと戦うための戦士、アシャワンの乙女を育成するための機関だったのだ!

前に読んだ「黒娘 アウトサイダー・フィメール」に比べると、萌え萌え~な要素満載でちょっとお子様向けなのかなって思ったんだけど、 いざドゥルジ(化け物)とのバトルへ突入すると、そんな印象は払拭。

ただ、物凄い長い間戦ってきたにしては…文庫本1冊で結末まで描かれてしまうわけだから、ラストバトルへの突入があっ気なく、そういう部分はもっと読みたい気分にさせられる。設定や文章は魅力的なのでちょっと残念かな?まぁ、安易にシリーズ化されたり、結末があやふやだったりという作品よりは、何がどうなったかがしっかりと描かれているので、娯楽小説として何も考えないで読むには充分魅力的な1冊だと思う。






個人的採点:65点