学ばない探偵たちの学園 著:東川篤哉 | 105円読書

学ばない探偵たちの学園 著:東川篤哉

学ばない探偵たちの学園

東川篤哉:著
実業之日本社 ISBN:4-408-50428-9
2004年1月発行 定価860円(税込)










東川篤哉を読むのは2冊目…前にデビュー作の「密室の鍵貸します」を読んだことがある。この著者の特徴なのか、ヨーモアを全面に押し出しながらも、奇抜な密室トリックを、しっかりとした伏線で読ませる、王道的な本格推理小説になっている。

東京国分寺市、恋ヶ窪にある鯉ヶ窪学園に二年生で転校してきた、赤坂通。部活動が盛んなこの学園で、文芸部に入るつもりが、ひょんな勘違いから、学校非公認の探偵部なる部に所属する羽目になってしまった…。探偵部員の二人の先輩…部長の多摩川流司と、八ツ橋京介に引っ張りまわされながら…新しい学園生活がスタートした通。ようやくそんな生活にも慣れ始めた5月のある日…事件は起きた。下校時刻も過ぎた保健室で、芸能クラスのアイドルを盗撮しようとしたカメラマンが殺されたのだが、現場は密室だった。たまたま事件に遭遇してしまった探偵部の三人は…関係者に接触しながら、事件解決に奔走するのだが…脱線ばかり。そうこうしているうちに新たな事件が…。

最初からけっこうフェアに伏線は貼られていますね。ああ、この辺は怪しいな、なんかトリック解明のアイデアになるんじゃないのかなっていうのは想像できたんですけど…それをどう使うかは、最後まで読まなきゃわからなかった。トリック自体はけっこう大味だが、よく考えられていると思う。

探偵部のトリオと、その顧問が…ああでもない、こうでもないと推理を繰り広げて、真相にたどり着こうとするのだが、それ以外にも、けっこうおもろいキャラクターがいっぱい出てきた。そういうキャラクターが、もうちょっと事件に関係してきても面白かっただろうに。

ユーモアミステリとして気軽にスラスラ読めて、なかなか。シリーズ化できそうな感じだけど、どうなんだろう??






個人的採点:65点