びっくり館の殺人 著:綾辻行人【新刊購入】 | 105円読書

びっくり館の殺人 著:綾辻行人【新刊購入】

びっくり館の殺人

綾辻行人:著
講談社 ISBN:4-06-270579-6
2006年3月発行 定価2,100円(税込)










本屋に行ったら平積みされていたので、今回は新刊で買ってしまった…だって綾辻だし、館だし…でも2100円は高いな~。ミステリーランドという講談社が少年少女向け(&、昔少年少女だった大人たちへ)という主旨で展開している、企画のなかで書かれたものなので、いつもよりややソフティーな印象も受けるが、著者があとがきでも語っていたとおり、正統な“館シリーズ”として、ファンなら思わずニヤリとさせられる面もあり。とにかく、「暗黒舘の殺人」から1年半で、館シリーズの新作が読めるというだけで、びっくりだ。

兵庫県のA市に建つ古屋敷邸こと、びっくり館…どうやらこれもあの曰く付きの建築家、中村清司の建てた館の一つらしい。そこで、10年前に起きた密室殺人の犯人はまだ捕まっていない。数年ぶりにアメリカから帰国した永沢三知也は、古本屋で見つけた鹿谷門実なる推理作家の「迷路館の殺人」という推理小説を読み、著者の写真、中村清司という名前にひっかかりを覚える。そこで、親友・俊生と彼の住んでいたびっくり屋敷のこと、自分が十年前に遭遇した密室殺人のことを思い出し始める…。

いつものようなアクロバティックな超ウルトラC級どんでん返しは感じられないが、小説ならではの小粒な仕掛けはしっかり用意されている。文体なども主人公の子ども目線であり…いつもの“館シリーズ”を期待していると、物足りなさもあるが(クローズドサークルとか、連続殺人とか)…その分、丁寧で分かりやすいシンプルなミステリーに仕上がっており、ラストはちょっぴり、オカルティックな装いもしてある。

館シリーズの番外編的な読み物として、気軽に読みましょう…にしては、金額高すぎる!講談社さん、有名ミステリー作家による児童向けの“ミステリーランド”という企画主旨は大歓迎だが、それだったら子どもにも気軽に買える金額設定、せめて青い鳥文庫くらいの値段にしませんか?このミステリーランドで、けっこう他にも読みたい作家の作品が既にいっぱい出ているんだけど、とりあえずそちらは古本待ちってことですかね(爆)105円で捜索中ですが、未だに1冊も発見できず!?






個人的採点:65点 (綾辻さんにしては低めかも)