サマー/タイム/トラベラー1 著:新城カズマ | 105円読書

サマー/タイム/トラベラー1 著:新城カズマ

サマー/タイム/トラベラー1

新城カズマ:著
早川書房 ISBN:4-15-030745-8
2005年6月発行 定価693円(税込)









鶴田謙二のイラストに惹かれて、思わず買ってしまった1冊。なんか似たようなタイトルの映画も最近ヒットしましたが…田舎のSF好き高校生が遭遇する、不思議な夏の出来事…。作中キャラが語る薀蓄の3分の1くらいは、なんか小難しくて理解できない部分もあるんだけど、物語はちょっとノスタルジックでいい感じです。

辺里という辺境の町で暮らす高校生の“ぼく”こと卓人の幼馴染、悠有が、ひょんなことから時空を跳んだ!その話を聞きつけた、全寮制の女学校に幽閉されている響子が…その謎を解明するべくプロジェクトを発足。卓人と悠有と同じ学校に通う涼とコージンを交えた5人の高校生は、夏休みを利用し、SF小説を資料にタイムトラベルを分析し、幾多の実験を繰り返していた…。

1巻ということで、話はまだ全然完結していません、中途半端です。2巻も一緒に100円コーナーでGETしてあるので、続けて読むつもりだ。ということで、最後まで読まなきゃ、感想らしい感想も書けないんだけどね…。

最初にもちょこっと書いたけど、タイムトラベルの能力を持った悠有ちゃん以外は、頭がメチャクチャ良すぎる高校生で、彼らの会話を理解するのが一苦労。でもまぁ、難しい事は深く考えないで、とりあえずすっ飛ばしちゃっても、物語の方は問題なく楽しめる。難しいことを語ってるんだけど、会話の心地よさみたいなものは感じられる。

SFなんだけど…タイムマシンが出てくるわけでもなく、いまのところはSFっぽさはあまり感じない。完結編である、2巻でどんな展開になっていくのか、予想もつかないけどね。なんか、辺里という架空の町(多分)に関わる、田舎特有の閉鎖的な問題を描いてみたり、環境問題について語ってみたり…はたまた冒頭から思わせぶりに登場している“放火事件”というミステリアスな事件が起きたりと、その他にも色々と大風呂敷を広げているのですが…これが今後、タイムトラベル少女とどう関わってくるのかが気になってしょうがない。とにかく、高校生の男女の青春モノとして、なんだか楽しいです。それでいて、なんとなく悲しげな結末を予感させる流れもあるんだなぁ。

資料集めに、ブックオフの100円コーナーを活用し、Amazonでも検索するっていうところが、なんだか良いですね。まさに100円コーナーで買ってきて読んでいる自分が、作者に見透かされているような妙な気分にもなるけど(笑)

とりあえず続きを読もうっと!?






個人的採点:75点