扉は閉ざされたまま 著:石持浅海
- 扉は閉ざされたまま
石持浅海:著
祥伝社 ISBN:4-396-20797-2
2005年5月発行 定価880円(税込)
昨年末に発表された“このミス”で2位に入ったことで、増刷もかかり、本屋で平積みされていましたが…我慢した甲斐があったってもんです、いつものように古本の100円コーナーでGETです!?
成城の高級住宅街に建つ豪華なペンションで行われた、大学時代のサークル仲間による同窓会。それを利用して伏見亮輔は、密室に仕立てた客室で後輩の新山和宏を殺害した。中に入れない仲間たちは新山の安否を気遣う…。伏見の計画通りに事態は進行していたが…参加者の一人、碓氷優佳は鋭い洞察力で疑問を持ち、何かを見抜いているようだ…。
犯人もわかっていれば、冒頭でトリックも明かしてしまう…事件自体は物凄く地味なのに、息詰まる展開で引っ張り、きちんとした伏線と意外な真相を提示する、計算された見事な演出力。さすが、石持浅海だなって関心させられる、まさに正統派の本格推理。
犯人の心理描写を巧みに描きながら、飄々とした探偵役の美女との心理的な対決を描くという…「刑事コロンボ」的な展開が、シンプルだけど魅力的。
浮世離れした碓氷優佳というキャラクターが、ちょっと森博嗣の作品に出てくる、萌ちゃんにも似ているかな?って思ったり(笑)
個人的採点:75点