サリバン家のお引越し〈クレギオン4〉 著:野尻抱介

野尻抱介:著
早川書房 ISBN:4-15-030758-X
2004年5月発行 定価714円(税込)

かつて富士見書房で出版されていた野尻抱介の“クレギオン”シリーズが、ハヤカワ文庫で再リリース。富士見文庫版だったら、100円コーナーでも集めやすいのだが、やっぱり1~3をハヤカワ文庫版で買っちゃったので、コツコツ、こっちで集めています。中身は同じなんだけど…ハヤカワの表紙の方が、オタクっぽくないので(笑)
航法士のメイが惑星フラードルで偶然に出会ったサリバン一家のコロニーへの引越し業務をする羽目になったミリガン運送。ロイドはいい機会だからと、メイにミッション・ディレクターを任せるのだが…彼女の前には予想だにしなかった無理難題が積み重なることになる。無事に引越しは完了するのか?
ガンダム世代なんで、コロニーの描写とか、比較的容易に想像できますね。著者もあとがきで、コロニーの形状はガンダムと同じオニールの島3号型を基にしたと語っていた。
宇宙のお引越しというアイデアは面白いのだが…話の重点はサリバン一家のパパとママのギクシャクした夫婦関係についてが重要になっている。仕事一筋のパパに構ってもらえないママは、コロニーなんかへ引っ越したらますます相手にされなくなると思って、どうにか引越しを阻止しようと無理難題をふっかけられる。それに巻き込まれちゃったのがミリガン運送の面々というわけです。宇宙よりも夫婦愛の方がミステリアスである(笑)
しかしながら、3巻の「アンクスの海賊」に続き、メイちゃんの大活躍という、ドタバタも忘れていなくて、コロニー内のドッグファイトなど見せ場は満載。最後は凄いことになってたけど、後始末がどうなったのか気になるなぁ…。
個人的採点:65点