刹那の魔女の冒険 著:関田涙
- 刹那の魔女の冒険
関田涙:著
講談社 ISBN:4-06-182358-2
2004年2月発行 定価1,260円(税込)
関田涙のヴィッキーシリーズ第三弾なんだけど、分厚くて、内容も異色で、読みづらく、読み終わるのにちょっと時間がかかってしまった。ブログやその他ネットでミステリのレビュー書いてるような人は、やたらと誉めてるんだけどね…単純に推理小説を楽しむなら、過去の作品の方が良かった。
雪の別荘、文化祭のお化け屋敷…そして人気作家・関田涙のサイン会場が関田自身が首を切られて死ぬという怪奇な事件が起きる。
詳しくあらすじとか、書けません(笑)冒頭からいきなり…この推理小説には二通りの読み方がありますなんて、作者の代弁者である美少女探偵ヴィッキーちゃんからの提案が記されています。“A.最初から最後まで、順番に読み進める。 B.作者の指示通りに読み進める。”この選択次第で、物語…いやシリーズ全体を根本から覆すような、とんでもない分かれ道を選択させられているのです。最初の文章で…メタミステリ的な仕掛けがしてあることを、既に匂わす(というか、思いっきり暴露している)ので…本文を読んでいる最中は違和感は感じまくりで、ちょっと気持ち悪かった程だ。
とりあえず、せっかくだから全部の文章を読まなきゃ勿体無いという理由で…自分はAの読み方を選択して、読みました。 で、最後にB用の結末もちゃっかり読むと…。作者も何気に、この方法を推奨しています。
実は、この文章を書く前に…色々な人のレビューに目を通したんです。正直、自分はあまり面白いとは思わなかったんで…他の人はどう思ってるんだって。いや~これが、色々な評論や解釈があって…小説本編より面白い。中には、これでもかーってネタバレ書いて、わけわからんウザイ意見書いてた人もいたけど、自分も似たようなもんだから、文句は言えないですよね。きっと…これを目にしたコアなミステリファンの方に馬鹿じゃんコイツって思われてるんだろうなぁ(^^ゞ
別にメタミステリが嫌いなわけじゃないし…トリックや構成の奇抜さで、惹きつけられる部分もあるんだけど…ただ単に原作者が自分で築き上げたシリーズものという概念を、ぶち壊したくなっちゃっただけのようにも感じるんだよなぁ。それだけを語るのに…あれだけの事件やトリックが果たして必要だったのか?実は、最近、関田涙の「刹那の魔女の冒険」以来の新刊が、発売になってるそうなんだ。それがどうやら新シリーズらしい。なんか…この作品を読んだ直後だと、新作「エルの終らない夏」が気になってしょうがないけど(講談社の公式サイトのあらすじ読んだら、登場人物に見覚えのある名前が出てくるし) …自分が読むのは、また一年後くらいなのかな(笑)
横着してBにしときゃ、良かったかなぁなんて感想じゃ、ヴィッキーファンは失格でしょうか?
個人的採点:60点