人形はひとりぼっち 著:中島望 | 105円読書

人形はひとりぼっち 著:中島望

人形はひとりぼっち

中島望:著
富士見書房 ISBN:4-8291-6245-7
2004年2月発行 定価567円(税込)









今まで、バイオレンス描写が過激な、格闘系の作品が多かった中島望の作品だが、みるからに萌系のイラストで…富士見ミステリー文庫なんていう、ライトノベルのレーベルから出した小説。著者自身もあとがきで、ほとんどの読者は10代ではないだろうか(自分は違う)と断言していたけど…中身は相変わらずバイオレンス描写も多く、なかなか楽しめた。

人間のクローンを作ることを禁止された近未来の日本。様々な目的で生み出され、人間社会に紛れ込んでいる違法クローンを…政府の依頼で処理するドールハンター。女子高生の成島唯と友人の真下久美子は…自分たちの学校の担任が、夜の公園で人気アイドルを射殺している現場を目撃してしまう。実は担任教師・雑賀はドールハンターだったのだ。彼女たちは、ドールハンターの秘密をばらさないよう強引に脅され、自分たちもクローン狩りの仕事を手伝わされる羽目になるのだが…。

SF的な設定ではあるが…現代的な女子高生が主人公であり、彼女たちの日常が突然変化していく様子を…切なく描いている。親ってなんだろう、子供ってなんだろう…人間のエゴイスティックな部分がよく描かれていて…ちょっと考えさせられる。

クローン幼女を解体して、湯船に入れて内蔵風呂を楽しむ変質者など…グロテスク描写もあり。






個人的採点:65点