池袋ウエストゲートパーク 著:石田衣良
- 池袋ウエストゲートパーク
石田衣良:著
文芸春秋 ISBN:4-16-717403-0 - 2001年7月発行 定価570円(税込)
知り合いから薦められた石田衣良を初めて読む。この本がドラマになったのは知っているし、深夜の再放送でちょっとだけそのドラマを見たことある…。今まで、ドラマのノベライズ程度の小説なんじゃないかと、勝手に想像していたのだが、それは認識違いであった。
高校を卒業したばかり、稼業の果物屋を手伝いながら…色々な仲間とつるんでいるプーのマコト。地元で育ち、ストリートギャングやヤクザ、刑事にも顔が利く池袋の街で起きる数々の事件に遭遇していく。表題作ほかの、連作短編4作品。
「池袋ウエストゲートパーク」- ストラングラーと呼ばれる変質者によって、連続女子高生絞殺未遂事件が多発していた池袋。そんな中、マコトのチームの一人、リカが何者かに殺された。
ミステリーとしてはありがちなオチではあるけど…独特の作風が印象に残る。カップル喫茶のシーンはちょっとドキドキした(笑)たまたま再放送のドラマで見たの、この話だったような気がする。
「エキサイタブルボーイ」
ヤクザの組長の娘が行方不明になった。ストラングラー事件での活躍を耳にした組長は、マコトに娘を探してほしいと依頼する。
ちょっと切ない感じ…哀愁が漂うハードボイルドっぽくて良かった。最後はちょっとロマンチックな印象?
「オアシスの恋人」
同級生だった風俗嬢に…あるトラブルがきっかけで麻薬組織に狙われている自分の恋人を助けて欲しいという依頼を受けたマコト。彼を助けるために、仲間と共にある作戦を計画する。
4作品の中では一番、痛快だったかな。
「サンシャイン通り内戦」
ストリートギャング同士の抗争…激化する抗争をなんとか食い止めようと東奔西走するマコト。また抗争を取材する女ジャーナリストの加奈と出会い…彼女に惹かれていく。
4作品の中では一番、壮大な…スケールの大きい話だ。マコトのラブストーリーとしても面白く読める。
大沢在昌の初期人気シリーズ…佐久間公シリーズを彷彿とさせる、現代の若者をクールに描いたミステリー。ハードボイルド的な要素も含まれているし…なかなか楽しめた。ドラマもちゃんと見てみたくなったなぁ。このシリーズの3冊目の「骨音」といのをハードカバーで100円で見つけてあるのだが、パート2を読んでからの方がいいのかなぁ?
個人的採点:70点