シェルター 終末の殺人 著:三津田信三

三津田信三:著
東京創元社 ISBN:4-488-01706-1
2004年5月 定価1,785円(税込)

「ホラー作家の棲む家」の三津田信三作品。その後の講談社ノベルズのヤツも一応全部持ってるのだが…「作者不詳 ミステリ作家の読む本」がやたらと分厚くて、まだ読んでいない。そのくせ、一番新しい「シェルター」を読み始めてしまうなんて…。
小説の取材で、三津田信三は、ある小説家が所有する核シェルターの見学に訪れていた。他の5人の見学者と共に、シェルターの入り口にたどり着いたときに“空に巨大な閃光”が!もしかして核爆発が実際に起こったのか?あわてて、シェルター内へ逃げ込んだ見学者たちは、シェルター内での生活が始まる。しかし、限られた空間、限られた人数しかいない…極限状態で、不可解な連続密室殺人が起きる!?
「ホラー作家の棲む家」は、作者のホラー、ミステリに対する造詣の深さ、大量の薀蓄も文章の上手さが手伝い…非常に作品の構成に生かされていて、ホラー小説として正直、面白いと感じた。この作品も…やはり大量のホラー映画、小説などの薀蓄が出てきて、作品のキーにはなっていたのだが、ややくどく感じてしまった。
三津田作品はまだこれを入れて2冊しか読んでないのだが…今回はホラーよりも、本格推理小説の王道のような印象が強い。折原一、綾辻行人のようにどことなく違和感を感じながらも…読み進めていくうちに“やられた!”という気分は味わえるのだが…最後に、スッキリしない嫌な余韻が残るのが、三津田信三らしさなのかもしれない。
自分の周りでは「作者不詳~」の方が評判がいいので、ぜひ次の機会に挑戦してみよう(持ってるんだから、早く読もうよ)
個人的採点:65点