とくまでやる 著:清涼院流水 | 105円読書

とくまでやる 著:清涼院流水


とくまでやる

清涼院流水:著
徳間書店 ISBN:4-19-905148-1
2004年8月発行 定価650円(税込)









表紙に惹かれて、何年ぶりかに読んだ清涼院流水の小説…。意味不明だが、インパクトのあるタイトル…とくまでやる=徳間デュアル(文庫)をもじってるみたいだが…出有特馬という主人公の名前でもあるらしい。

双子の姉妹フレアとクレアが通う名門女子高で相次ぐ自殺事件。そして、二人が利用するレンタルビデオ店で働く出有特馬と山本新悟の周囲でも、知り合いが連続して自殺していた。毎日、必ず1人ずつ自殺する連続自殺事件の真相とは?

2ページで1日ずつ進むという構成をとっていて、毎日自殺者が出ている。つまり2ページに一人、必ず死んでるのに…実際に死体の描写は全然出てきません。事件が起きているなんて思えないほど…萌え萌え系なライトノベル感覚で物語は着実に進行していて、死人の数もどんどん増えていく…。

デビュー作の「コズミック 世紀末探偵神話」(1200個の密室で、1200人が殺される)でも、あまりにも凄いオチに唖然としたが…これまた、どこまで真面目なのか疑いたくなるオチが最後に待ち構えている。まぁ、こういうのを期待して清涼院流水は読むんだけどね。タイトルから薄々感づくが…言葉遊び的な仕掛けがしてあるところなど、清涼院流水らしい趣向だ。

推理小説の基本…真相が知りたくなるという面白さは味わえます。本格的な推理小説が好きな人には向かないでしょうね。どちらかというと、可愛い女の子に“お兄ちゃん”て呼ばれたいような人たち向けみたい…。






個人的採点:60点