本格推理委員会 著:日向まさみち

日向まさみち:著
産業編集センター ISBN:4-916199-62-6
2004年7月発行 定価1,155円(税込)

第1回ボイルドエッグズ新人賞受賞作。作者もあとがきで語っていたが、キャラ重視で描いたライトノベル的読み物として捉えた方がいいみたいだ。
小中高一貫の大型校、木ノ花学園…中学を卒業し、高校生活がスタートした城崎修は、幼馴染の木下椎とともに、学園の理事長によって組織された“本格推理委員会”なる委員会のメンバーに招集されてしまった。渋々、活動に協力させられる修たちは…小等部の音楽室で起きているという噂の怪談話の調査を命じられるが、事件は意外な方向へ向かっていく…。
デビュー作だからだろうか、思わせぶりに細かな設定がしてあるキャラクターが、バランスよく活躍していない気がする。次から次へと出てくる、キャラクターたちの秘密も、とってつけたような感じでわざとらしさが…。
作家性というよりも…“売れる”を考えて設定したようなキャラクター…といって、その筋の人が騒ぐような目新しさもなく、中途半端な読み物だった。もう少し一人一人のキャラクターの個性を引き立てるか、それができなければ、主役級のキャラクターを絞り込んだほうがいい。
新刊で発刊された時に、面白そうだなぁと期待していただけに…105円で買ってよかったと思える内容だった。
個人的採点:55点