イノセント 著:中村うさぎ

中村うさぎ:著
新潮社 ISBN:4-10-456702-7
2004年2月発行 定価1,365円(税込)

サスペンスというジャンル別けが正しいかどうかはわからないが、とりあえずここで。
焼身自殺を図ったソープ嬢。彼女の死んだ理由を求めて、娘の素顔を辿る父親は彼女のとんでもない事実に直面してしまう。果たして娘は本当に自殺だったのか?何者かに殺されたのではなかったのか…?
文章のほとんどが…死んだ娘の関係者による証言と娘の日記という形で構成されている。証言ばかりが続いて物語が進行していくというのが、なんだか…宮部みゆきの「理由」を思い出す(実は「理由」の原作小説を読んでないのだが、映像版を見た)。
文章を読んでいると、違和感を感じるので…これは何か仕掛けがあるぞと思いながら読み進めているので、なんとなくオチは読めた。事件の真相というのは、なかなかビックリさせられるものがあるのだが…最近流行った、ある映画と酷似しているので、ちょっとインパクトに欠けるのが勿体無い。作品が発表された時期を考えると…こちらの方が早いので、決してパクリではないのだろが…。
個人的採点:65点