巫女の館の密室 著:愛川晶

愛川晶:著
原書房 ISBN:4-562-03421-1
2001年8月発行 定価1,890円(税込)

奥会津の秘境にある友人の別荘を訪れた、美少女探偵・根津愛が、その別荘の離れで起きた10年前の密室殺人事件の謎に挑む…。愛は現場を見ただけで、トリックを見破ったようだが、その直後…愛自身が失踪、新たな惨劇が起きてしまった。
全487ページ…過去の事件の謎が提示されたり、伏線として犯人の手記らしきものが挿入されたりするのだが前半部分はなかなか物語が進まずやや退屈気味な展開が続く。インカ帝国の史実についてなど専門的な描写も多かったので…ちょっと入り込みづらかった。
300ページを過ぎたあたり、愛の失踪、新たな惨劇が起きるようになると俄然、面白くなる。トリックの解明、犯人の動機など…意外性は感じられ、よかったと思う。
全て読み終わると…前半部の何気ない会話などにも…展開を暗示させる伏線がはられていたんだなぁと思い直す。ただ、もう少し前半から、テンションを高めるインパクトのある事件が欲しかった。最初の事件が、あまりミステリアスに感じなかった(個人的に)
自分はハードカバーで読んだが、2004年8月に文庫化されているようだ。
個人的採点:60点