空色 SORA-IRO 著:坂巻央

坂巻央:著
文芸社 ISBN:4-8355-6257-7
2003年9月発行 定価1,050円(税込)

綺麗な表紙とタイトルに惹かれ、手に取ってみたのだが…“坂巻央”なんて作家、知らない。どんな人なのかと、プロフィールを読むと、“1990年、神奈川生まれ。現在、中学二年生(発刊当時)”と書いてあった…、ちゅ、中二ですか!?そう、これは中学二年生の少年が書いたSF小説だったのです。この間、買ったばかりなのですが…ちょっと物珍しくて、早速読んでみました。
悪い宇宙人が侵略してきて…大学生の男の子が、良い宇宙人と共に戦うといった感じの物語なのだが…いかにもSF好きの子供が、自分の好きな作品を真似して書いてみましたって部分が大きい(文章が簡潔なのに…複雑なSF設定も容易に想像できる)。頑張って、環境問題やら平和への願いなどを語っているのだが…背伸びしすぎているようにも感じる。主人公を大学生じゃなくて著者に近い年齢設定にした方が、もっと自然に描けたのではないだろうか?
でも、中学生で、本を出しちゃうのは凄いなぁ。自分が中学生の頃は…本も好きだし、文章を書くのも嫌いじゃなかったたが、せいぜい、夏休みの読書感想文の宿題で、国語の先生から“大変よくできました”のハンコをもらうくらいだった。
正直…1000円出してまで、読みたい本ではないが、105円なら話の種になるってもんです。もしかしたら、将来この少年がベストセラー作家にでもなった時に、デビュー作読んだことあるぜ!初版本持ってるぜ!なんて、自慢にもなるかもしれない。これも、105円読書の醍醐味じゃないでしょうか?
個人的採点:50点(←ちょっと厳しいか)