○種別 住宅地
○類型 更地として
○物件
山手線内側の高級住宅街に存する、戸建住宅を選択。
1低専(60/150)
○評価方針
取引事例比較法と土地残余法を適用。
既成市街地内の土地であり、再調達原価の査定が困難であるため、原価法は非適用。
○実務修習上、悩むところ
-取引事例比較法-
①事例の数
・5つが目安。
・規準も都心であれば、地価公示、地価調査を両方使うべき。
・内訳書には公示地を記載。
・再提出(本文、別表、付属位置図、公図写、取引事例カード、賃貸事例カードを3日以内に提出)の場合は、両方書いてある別表を。
・地価調査だけしか使わない場合は、「採用基準地ほど高い規範性の認められる標準地がないため、地価調査の基準地を採用」と触れておくこと。(「規準」は、地価公示法の用語であって、国土利用計画法によって行われる地価調査の場合は「標準価格から比準した価格」となる。)
②四捨五入の桁数と場所
・必ず守るべきところと、裁量によるところがある。
・取引事例の単価は、1桁まで求めること。
・取引事例から比準した価格は、上3桁が原則(1桁目が1なら、上4桁のほうが無難。)
・試算価格も上3桁が基本。(1桁目が1なら、上4桁のほうが無難。)
・比準の評点、時点修正率は、整数で良い。(小数点以下1桁まで求める必要はない。勿論やっても良い。)
-収益還元法-
①やるべきか
・戸建の賃貸もなくはない。(市場が未成熟とは言いきれない。REINS叩けば出てくる。)
・戸建は収益力がない(非適用の理由になっていない。それを判断するのは試算価格の調整。)
・説得力のある理由が付けられるなら、非適用でも可だと思われる。
②「最有効使用よりも、収益性に優れる共同住宅の建築を想定することにより、土地残余法を適用する。」の是非
・正常価格で求める以上、市場参加者は、最有効使用を前提とした価値判断をするわけで、それを前提にした価格を求めようとしているわけである。1冊の評価書の中で、「戸建前提の比準価格はこれ。共同住宅前提の収益価格はそれ。比準価格を標準に、収益価格を参考にして…」とするのは、やっぱりおかしい。
・「共同住宅想定の収益価格>戸建て想定の収益価格である。共同住宅を建てる前提だと、収益価格はこれ。でも、最有効使用は戸建てなんだから、最低でもこれより価格は高いよね。」という論理構成で、鑑定評価額の下限を示す価格を求めるなら、ありだと思われる。
(ただし、その場合でも、どうして共同住宅想定の収益価格>戸建て想定の収益価格となるか説明することになり、結局戸建て土地残余をやらなきゃいけなくなる。ならば、共同住宅の収益価格をわざわざ求める必要はないかと思われる。)
・共同住宅を想定する場合には、斜線・日影特に気をつけましょう。
③賃貸事例比較法はやるべきか
・戸建を想定してるだけであり、その想定建物に対して比準するのは非常に難しいはず(未竣工建物の評価に類似する状況になる)。建物の個別的要因がわからないのに、規範性の高い比準ができるというのは考えづらい。であるならば、賃貸事例をいくつか拾ってきて、そういう事例を並べて別表に載せておいて、「こういう事例等を参考にして、賃料○○円と想定して土地残余法を適用した。」で、十分だと思う。
・どうやら、賃貸事例比較法非適用で土地残余法やっていても、認定もらっているらしい。
(僕は当時、会社の指示でやらされた。)
-試算価格の調整-
・おそらく積算と収益で大きな開差が発生することになる。その差をちゃんと説明できているかは、しっかり見られている。安易に各業者のテンプレートそのまま流し込まずに、自分で書いてみるといいと思います。
・鑑定評価額のところで、積算:収益を10:0で見るのは問題ないと思います。
(それだけ収益価格が、典型的需要者の価値判断に適合せず、資料の相対的信頼性も劣ることを指摘してあげれば良い。)
○物件選びのポイント-
・第一種低層住居専用地域から選びましょう。
(最有効が戸建なのか、マンションなのか・・・とか少しでも悩む物件はNG。誰がどっからどうみても戸建住宅地であることに異論を差し挟まないような戸建住宅地は、きっと世の中にいっぱいあります。)
・わりと整然として区画の大きい、いわゆる「高級住宅街」から選ぶと良いと思います。
・近隣地域に公示地、標準地があるような物件選びはやめましょう。
(こと実務修習に限って言えば、規準価格との均衡が非常に重視されます。(不動産鑑定士の実務修習とは、結局のところ、地価公示できる人を養成するためのカリキュラムです。)価格水準が縛られてしまうと、取引事例の充実度によっては非常に評価しづらい。
