本日最後の観光はノートルダム大聖堂だ。
5年ぶりくらいの対面だ。ちょうどミサの最中だった。

    パリには、1967年〜1969年のスイス留学中の3回を含み、今まで10回くらい来ているが、そのたびノートルダム大聖堂は訪れている。
    私は50年程前、スイス滞在中か、出発前に森有正のエッセーを読んだ記憶があり、調べてみると「霧の朝」「ひかりとノートル・ダム」「遥かなノートル・ダム」の3編で、これらはそれぞれ「展望」1966年2月号、1966年11月号、1967年2月号に初出している。
   1999年6月から10月にかけて「筑摩書房」の「ちくま学芸文庫」から「森有正 エッセー集成 1〜5」が順次発刊され、私はこれなら読めそうだと全巻購入したのだが、各巻の「解題」「解説」を読んで「あーそうだったんだ。」と納得しただけで、20年近く本棚に眠っていた。
 
    そんなわけで、飛行機のなかでは  「森有正 エッセー集成 3」で  「霧の朝」「ひかりとノートル・ダム」「遥かなノートル・ダム」「赤いノートル・ダム」「ある夏の日の感想」「パリの生活の一断面」「ルオーについて」「思索の源泉としての音楽」「滞日雑感」「黄昏のノートル・ダム」「遠ざかるノートル・ダム」を読んできた。
    留学前後に「霧の朝」「ひかりとノートル・ダム」「遥かなノートル・ダム」は読んでいるはずなのだが、前2編は哲学的部分が多かった為かあまり覚えていなかった。
    「遥かなノートル・ダム」に哲学的部分がないわけではないが、パリの雰囲気が生き生きと描写されてもおり、初めて欧州に留学に行く私に強烈な印象を与えたことは確かだ。
     この旅行の合間にこのシリーズを読むのもたのしみだ。