2話です。

なんとなくの嫌な方の予感が当たったというか危惧というか、リスクの、その狭間で顕現してしまったという感じです。

感想を書くことに限定しても、とにかくとっつきにくい話でした。

物言いが涼やかになりませんが、書き出すことで紐解いていきたいと思います。

 

1話と2話

1話に比して、シンプルに重厚さが足りないようです。

具体的には事件を構成する背景事情が薄いこと。

これはもう、事件毎の特性といえばそうなのかもしれませんが、ドラマとして1話であれほど見事にやってみせたのだから、2話もそれを承継してほしいところでした。

とはいえ、ムラがなければクオリティコントロールが困難とあれば、いずれ光るものが出てくるのを期待する方が健全な姿勢でしょうか。

 

メーンテーマ(ウリ)

カッコ書きで注釈を入れましたが、いずれにせよ中軸に据えて視聴者に訴求したい事柄と言いますか、とにかく、なにを表現したいかということです。

それは形而下に示すものではなくて、底流、深層というか、モチーフとして視聴者に掴ませるなら、ギリギリのラインを狙わなければ露悪のそしりを免れない所ですから、明確にならない性向があるにしても、作り手、受け手が常に意識してくことなのだとは考えています。

 

さて、本作におけるモチーフは何かと考えているのですが、そこへ触れるスタンス、スタイルはいつもシンプルでありたいと思っているので、見たまま、あるいは手持ちの情報で探り当てるようにしています。

この場合、視聴の直接の動機となった番宣も含みますから、最もインパクトの強いと響いた辺りが、いきおい、キーになってしまいますね。

なので、その番宣のキャッチーなところ。

それは「司法権力の行使と、発露する主体と客体のギャップが示す鮮烈な対比」ではないかと、今は考えています。

1話の安堂裁判官による弁護士解任のくだりですね。

 

猛烈な権力行使の源泉は、もちろん堅牢な国家機構の背景あってのことですが、その行使者たる安堂が内包するADHDやASDが、こうとなっては劇薬的ポジショニングにまでなっていて、見る者に新鮮さと畏怖、あるいは戦慄、カタルシスを与える場面でした。

ここをベースにやっていくのかと思ったのですが、そうはいかなかったというより、そうはできなかったというところなのでしょうか。

 

原因分析は野暮かもしれませんが、悪く言えば、2話の限りでは、客寄せの一発屋になっているようで、良くいえば再現性が難しかったのかもしれません。

いずれにせよ、番宣に担ぎ上げて流布するのは、少々軽挙だったかもしれず、本流に据えられないならかえって興ざめしかねないので、リスクを賭けた答えとしては、2話時点においては分が悪いようです。

 

メーンテーマ(サブ)

サブと注釈しましたが、前項のモチーフを結果的に使い切った感がある中で(使い捨てではないと思いたいところですが)、割と明確に見える形で示されていたのが、小野崎弁護士。

いわゆる若手の弁護士として、その(地理的な)所在はともかく、現実に挫折した都落ちの経緯と所感が差し込まれた後、1話、2話の事件弁護を通じてやりがいを取り戻す、その再生が描かれています。

テンプレといえば言い過ぎかもしれないので、王道と表現すれば、基本的にハズレのない組み立てとも言えます。

 

ただし、番宣から引っ張っているメーンテーマに対してはいかにも弱く、とってつけたような感がぬぐえず、ダブル主人公というには、安堂を演ずる松山ケンイチのポテンシャルもあって、中々厳しい所です。

いずれにせよ、このままというわけにはいかないでしょうから、今後の展開に期待すればいいのだと思います。

 

安堂弁護士(松山ケンイチ)

キャラクターの造形については1話で出し尽くした感がある中、演者たる松山ケンイチの声には依然として心惹かれますね。

いわゆる苦労をしょって立ち回る中においても、議場での発語はあくまでも凛としていて、通っている。

これこそ、国家が個人に仮託した何事かの表出であって、そういう意味では、メーンテーマがかすかに息づいているのかもしれません。

 

門倉茂(遠藤憲一)

安堂の上司という役どころですが、度々、周りを飲みを誘いながらも袖にされる中、小野崎に居合わせて、返って付き合わされるくだりが良かったですね。

陽気に飲みに誘うオジサンが、にわかに朴訥な、いわゆる(言葉に慎重なタイプの)リアルなオジサンになっている。

酔いきれないといいますか。

こういう場面に、小野崎は弁護士になるんじゃなかったといい、門倉は裁判官になるんじゃなかったといいますが、いずれも酒席の交歓にすぎず、対比構造にもならなくて、適当なところで(ストーリーラインを)流れていきます。

この匙加減、酒の席で言って見ただけというような配置で、必要以上に作劇を乱さない塩梅は見事だと思いました。

 

真実義務と誠実義務

サブタイトルにもなっている所です。

もっとも、法曹界用語はちょっとやそっとじゃ咀嚼し難く、そういう意味では舞台の高低を思い知らされる言葉でもありました。

そういう所での理解が及ばないかもしれないことに若干の焦燥はありますが、こうとなればエンターテインメントとして見たまま感じたままでいいのだろうとも思っています。

分かればもっと面白いのかもしれませんが、それでも本質は変わらないと信じて。

 

今回はこんな感じです。

1話に対してどうもひとつ低い場所にあることは否めませんが、連続ドラマであることを差し引けば、3話以降を見ていけばおのずと打開するとして、ここまでにします。

 

それでは次回。