観てきました。「平泉成、80歳にして初主演」いうコピーに魅かれて。

以下、つらつらと。

 

①平泉成

 「あしたの、喜多善男」や「シン・ゴジラ」のイメージがありますが、本作では、おだやかに、時に頑固に、または業のある写真家、そしてやさしく若者を教導するという役柄でした。

 「写真は被写体と、撮影する自分自身も撮影している」という言葉が印象深かったです。

 師匠というにはやさしすぎるのも良かったですが、うがってみれば、芸術の深い所は教えて何とかなるものではないということでしょうか。

 

②咲貴

 本作で初めて知りました。ちょっとツリ目な感じがとてもかわいくて「あしたの、喜多善男」に出ていた吉高由里子にも少し似ていますね。

 ケーキ屋がプロのカメラマンによるインスタプロデュースで繁盛を取り戻していくところは、ちょっとしたカタルシスでした。

 五十嵐が彼女の撮った写真を評した「まずそうに見える」、「光のあたりかたに工夫がいる」といったテクニカルな助言に、ほうほう、と内心うなずいておりました。

 五十嵐とその父親が同じモチーフで女性を撮影していた伏線にはうるっときましたね。

 五十嵐の撮る彼女の写真は、被写体のコケティッシュな感じを引き出せていたと思います。

 

③佐藤浩市

 奥さんの写真をチラ見してはニコニコするところがクールでしたね。遺影撮影といいながら、暗い雰囲気にならなくて、かえって朗らかなのは演者の妙ですね。

 

④黒木瞳

 かわいらしいお母さんを演じていました。

 写真家として名をあげた息子が、お母さんにお願いされるままに地方の結婚式場で写真を撮るくだりは、にやにやしちゃいますね。

 口だけちょっと反抗してみせて、あとはお母さんにいわれるままというのが妙にリアルです。

 

⑤写真

 過ぎ去っていくものを留めること、その意味についてプロの写真家視点で語られています。

 アマチュアがスマホで撮る意味は語られていないので、そこは自分で考えろということでしょうか。

 

⑥まとめ

 スマホではなくデジカメで写真を撮りたくなる映画でした。

 キャラクターをかわいく撮った映画で、奇をてらうことのないとても見やすい映画です。

 

おすすめです。