封切り日の朝イチで観ました。

まさかゴジラで泣かしにかかってくるとは…
とにかくドラマパートがすばらしく、あの二人のなれそめから何からとても良かったです。
「嫁にもらってやれ」的なセリフ、よく言った!と思ったり。
ただラストの首すじのあざは、続編を想起させられて一気に現実へ引き戻されてしまいました。
「終わり良ければすべて良し」でいってほしかったです。

「東洋バルーン」の社名を見た際、ニヤッとしてしまいました。
「大日本風船」とか「満州設備」とかではなく、「東洋バルーン」。

時代背景を戦後、むしろ終戦直後に置いているのに戦争の気配がしない。
戦中っぽい企業名にするとリアリティを損なうと考えたからかなのでしょうか。
色濃く出すると嘘っぽく感じられるほどに、あの戦争(時代)は消費されてしまったのかもしれませんね。

また「シン・ゴジラ」では、「東洋バルーン」のような具体的な企業名は出ず、今時流の「JV(ジョイントベンチャー)」っぽかったので、民間民間と連呼しているのは変な気分でした。
「シン・ゴジラ」に官主導の要素があったからその対比なのかもしれませんが、敗戦で国家の意味や意義を失った(否定した)ゆえのヤケクソにも見えて痛々しく、官抜き、JV抜きで、作戦成功のイメージがわかなかったです。

現代は民間至上主義的というか、万能論は少しずつナリをひそめつつあるように感じます。
乱暴に言うと国家をハブにして民間だけでどうにかなることはなく、夜郎自大に民間だけフォーカスしても問題解決には至らないことを私たちは知っているというところでしょうか。
国際化するほどに国家の役割が増すというアンビバレンス。
ex.いわゆる「失われた30年」は、巷間ささやかれていた「イノベーション低調」や「生産性の低下」のような民間に依拠した事由ではなく、国家の経済政策(徴税の強化や公共事業の削減など)に問題があったのではないか

重巡高雄に菊花紋章があるのかすごく気になりました。
まず取り外されているんでしょうけど、陛下の下賜艦であることにアイデンティティを感じるので、ないと締まらないなあと。
高雄が海辺のかなたから登場した際、ああいう姿(菊花紋章を外されたような)を見るくらいならと、潔く散ろうとした旧海軍の気持ちになりました。

だらだら書きましたが、あのべタなラストに心持ってかれました。

そこにつきます。

おススメです。