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今回紹介する本は会社訴訟の基礎です(248頁、本文237頁、ソフトカバー)。
基本書・演習書の書評をすると述べながら、どちらにも当たらない実務書とでも呼ぶべきものの紹介になります。
今回は、本そのものの紹介というより、商事関係訴訟(本文362頁、420頁、ソフトカバー)という類似本との比較の形で書きたいと思います。
会社訴訟の要件効果について整理したまとめ本という印象です。訴訟なので非訟である株式買取請求などの記載はありません。
東京地裁の判事の方々が書かれている書籍としては、類型別会社訴訟、商事関係訴訟という本が存在するのですが、整理の仕方は、正直この2つの本よりよく出来ています。
第1章の類型の表や、利益相反取引の承認の有無の書き分け、新株発行の無効事由の平成24年判決を意識した整理の仕方などはこちらの方が上手いと思います。
基本書まとめWikiには、類型別会社訴訟、商事関係訴訟の簡略版という位置づけとの紹介がなされていますが、強みの点で少し違うかなという印象です。
あと、商事関係訴訟の紙が厚いせいか、ページ数の差の割りに薄いです。
一方、商事関係訴訟を以前読んでいた身からすると、全体的に説明が薄いとの印象は持ちました。
比較の形になりますが、商事関係訴訟のプラス点として全体的に無効事由の具体例が多いこと、なぜ役員の任務懈怠に関する責任を4類型にするのかの説明があるなど、説明が丁寧なところがあり、こちらで疑問が解決したものもあります(説明の良さは商事関係訴訟の強みだと思います。)。これが、会社訴訟の基礎では省略されているのでマイナス点と感じました。
また、基本知識は会社訴訟の基礎でも書いてあるので、入門として使うこともできなくはないのでしょうが、淡々と書かれていて読んでいてあまり面白いものでもない印象を持ちました。
注意点として、発行年が2013年なので、会社法改正は反映していません。ただ、関係するのは、株主名簿閲覧請求の125条3項3号が法改正で消滅したくらいのはずなのであまり気にしなくて良いでしょう。
使い方は人によるのでしょうが、訴訟を意識した会社法の入門とする、会社法の法体系を訴訟を意識した形に整理し直す、直前に見返すためのまとめ用とするなどになるかと思います。
商事関係訴訟 (リーガル・プログレッシブ・シリーズ)/青林書院

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