猫育てを解雇され半分死んでいるうち
いつの間にか春になっていたようだ
機械のような家具のような
大きな物体の中から謎の水と共に
突然流れ出てきて弱っている次の猫
なのに何も出来ないという夢を見た

母親は森と化し近隣迷惑な庭に悩み
シルバー人材を雇い小地を一掃した
高齢者の行動力と体力に感服する
鈍っているわたしは太刀打ちできない
悩みの種はきれいに何も無くなった

庭をテリトリーにしていた地域子猫は
育った森が一変して戸惑っている
トイレにしていた花壇が拓けてしまい
薬味や野菜の種が蒔かれていくのを
呆然と座り込んで眺めていた
アルミホイルの印も警戒しているのか
掘られた形跡は以後もうなくなった

母親が庭を維持すべく頻繁に出入りし
テリトリーは今のところ人間が優位だ
虫が出て草が生えれば形勢逆転するか
みかじめ料はちゅーるで支払っている

母親が噂で聞いてきたところによると
しばらく来ない猫は病気だったらしい
兄弟が鳴いて何かを訴えてきていたが
何を言っているかはさっぱり分からず
そういう訳だったと後から知った
保護され通院しまた来るようになった
しかし兄弟で猫白血病に感染している

最初の猫も次の猫も監禁していたので
ウイルス感染には詳しくなかったが
持続感染は完治が困難なようだ
寿命が短くなるかもしれないと思うと
今迄のように呑気に見ていられない

子猫の時なら未感染だったろうか
それとも母子感染だったろうか
最初の猫は心臓病であったし
通院させてもらっているのであれば
やはり手を出さないで良かったろう
この家に猫に関わる資格はない
だが……つい色々と考えてしまう

当の地域子猫はどこで知り合ったのか
見知らぬ白っぽい猫を連れてきた
母猫と折り合いが悪い原因だろうか