離乳食以後は病弱が嘘のように
走ったり飛びかかったり
素早い動きができるようになった
急な予想外のスピードには驚く
猫より大きいトイレットペーパーと
ころころと闘ってボロボロにした

やはり手放せばよかったと
母親が毎日何度も言うくらいに
連日何かしらの悪さをした

最初の猫も次の猫も
始めは実際に手放すはずだった

最初の猫を持ち帰った時
最初の犬が居たからだ
外猫にけたたましく吠える犬が
猫といられるとは思えなかった

現にわたしが猫を持っていると
何度か飛び掛かろうとした
それをかわしていたのだが
猫が抜糸後に疲れて寝ていたのが
運悪く犬の定位置のソファーで
飛び掛からないよう見ていたが
少しは慣れたかと思っていた頃で
咄嗟の静止が一歩遅れた

寝ていた猫は突然に顔面を咬まれ
ソファーから転げ落ちた
ぷしゅんと鼻から赤みのある鼻水
どうやら鼻に牙が入ったらしい
カラスにやられていた時と同じ
しかめた顔で両手をあげていた

瞬間

わたしは反射的に犬の鼻を叩いた