存在が消えて無くなりそうな小さな背中で
震えながら夜空に呟きました
「もう一生飛べないんだ」
「友達が飛んでるところを泣きながら眺めることしか僕にはできない」
鬱蒼と茂ったジャングルで
星たちに向かう言霊が弾けました
と、そこに
足を2tトラックのように深く引きずったメスライオンが木の陰からそっと現れ
小鳥に優しく
そして
諭すように聞こえるか聞こえないかの声で
語りかけました。
「飛べない結果は誰が決めたの?」
燕は豆鉄砲をくらいました。
「私はこれからも走ってやる。」
「生きる為に。。」
ライオンの優しくも凛とした立ち姿に
燕の小さな体は大きく竦み上がり
自分の体とは100倍違う大きさと迫力
心を包み込む毛布のような口調とのギャップに
何1つ考えられず。
考えられるわけもなく。
何も口にできずにいました。
「きっと貴方が…」
「きっと貴方が大空を飛ぶことによって誰かの夢を知らず知らずの内に叶えることもきっとあるんです」
「その1人…いや自分の為に生きて下さい」
「何だってできるから。そう思ったら怖くない」
「お互い楽しく生きましょ♪」
そう言う最後の一瞬
仏のような笑顔を見せ
茂みへ全速力で走り深過ぎる闇へ消えていきました。
小さな小鳥は
気付くと眩しすぎる満天の星空を眺めていました。
僕は…
僕はあの仲間と一緒に無数の星の下を
飛んで笑っていたい
その頃には頬の雫も枯れ
翼が一瞬
小さな音を奏でました。
おわり