大学時に学んだという日本語のトーン、間、切り返しも完璧で、おまけに相当美人な才色兼備である。
僕はこの手の若くて美しくて野心的な、非の打ち所がない外国人女性と交流したことが今まで5、6回あるのだが、いくらその場では楽しく交流できても、未だに劣等感を感じてしまうのが情けない。
大体こういう精神的負け試合の時は、僕はあわよくばモテようとする戦略を一切捨て、エンターテイナーとして面白い奴カテゴリーに入れてもらうことにベストを尽くす。
昆虫の話とか、中野のブロードウェイの話とかをしたのだが、期待値を超える面白さやインテリジェンスを提供できたかというと、微妙だ。外国語はしゃべれても、まだ僕はアメリカ人の成熟した感性というものが、掴み切れていないのだろう。
僕の考える個のグローバル化というのは、地球のどのようなシーンでとのような人に対しても魅力を発現できるやつであり、改めて目標を改たにしたのである。
期限を決めずに目線だけ高くしてしまうという、独身志向のドツボにはまっていると言えなくもないのだが、こればかりは譲れそうにもない。がんばらなくてはなるまい。