歯は明らかに人間の営み(機能的・娯楽的にも)に必要不可欠な設備であり、メンテナンスが至らないと、設備の増強もしくは補強という形で新たな追加コストが発生する。
食生活が多様化して、内臓と同様に歯にも大きな負担をかけているにもかかわらず、いまだに保険適用範囲内が非常に狭く、対処療法としか言いようがないものしか揃ってないということがわかってきた。
つまり、現代の華やかな食生活をエンジョイし続けるには、保険適用内だけの処置に抑えて人生逃げ切るだけでは難しく、個人の歯という生産設備に対しての投資感覚を磨き、随時、必要なタイミングで(往々にしてそれは本人が自覚するよりも早いタイミングである)設備投資を行っていかないと、一生をかけてのトータルで高い効用は得ることができない。
虫歯になりやすい/なりにくいは体質もあるのだが、仮になりにくい体質だとしても、歯ブラシの予防だけで、健康な歯肉と歯を守り続けるのは、至高の職人技=至難の技ではないかと思う。
いずれにしてもちょっとした中古車が購入できるほどの金額の大きな意思決定をするつもりなので、僕も本気で調べ、最適な歯科、投資額、リスク、リターン、治療手順の最適な組み合わせをDCFベースに考えている。ここはプロの投資家のはしくれとして失敗はできないところだ。
何より僕が言いたいのは、自身の歯の健全性に対して過信している人が沢山いるということだ。恐らく本人が想像している以上に、劣化が進んでいる。その劣化の進度を確かめるだけでも、歯を定期的に検診する必要がある。
歯だけでなく、これからの医療は、我が国の保険制度や生活の多様化から鑑みるに、一律に定期検診を受け、問題が起きたら治療されるというパッシブ運用では期待値を超えることはできなくなってくるはずで、個人が設備投資の感覚を磨いて知識をつけて自己防衛してプラスのαを目指すことをしてゆかなくては、たまにマイナスのリターンを出すことはあるかもしれないが、長期的にみて大きな落とし穴におちてしまうのだろうと感じる。