外資のコンサル会社に勤める大学時代の友人に合コンに誘われたので、久しぶりに友人に会いたいこともあり、銀座に顔を出して来た。
日本人の合コンで盛り上がるか盛り上がらないか、大事なのは、メンズの中での、息の合ったボケとツッコミの使い分けの能力であるように思える。
日本人はチームワークを大事にする。足並み揃えたコミュニケーションが要求されるのである。その際、単独行動に走ってしまっては場の空気を乱すことになり、その他の人たちが白けてしまう。たとえば、A君とB子さんが仲良くなって話こんで、その他の人たちがまた別の話をしている、とその場ではうまく役割分担ができているように思えても、会が終わってから、オトコ共からは「勝手なことするな」と指摘を食らい、オンナ共からは、「A君はガツガツしている」と評判を下げるのが関の山だ。
つまり、それぞれが単独プレーに走ってしまっては、ここ日本では、よい結果は得られにくいと考えられる。
チームワークとして臨む場合であるが、ボケはアクセル、ツッコミはブレーキとして機能させる。たくさん、色んな角度からボケる(=ふざけながら、本質に迫る)ことで、相手のレスポンスのサンプル数を増やす。そのようにして、相手を推し量ってゆくのである。切り込まない限り、その人の性格や本性は滲み出てこない。
がしかし、時として、行きすぎたボケ(=切り込み)をしてしまう時がある。その時、そのようなプレーをしてしまった仲間内にツッコミを入れ、面前で叱るのである。しかしながら、お分かりの通り、自作自演である。アクセルとブレーキを踏み分けて、合コンという時空間を開拓してゆく。
ビジネスの商談と違い、商材は自分自身であり、その場での息の掛け合いをしながら、相手を切り崩してゆく。それにほとんどが、同じメンバーで臨むこともなく、毎回違った人たちとタッグを組むことになる。高度なコミュニケーション能力が要求される。
相手のレベルが高ければ、難易度も上がり、仕事においても、その成果が還元されることはあるだろう。
僕が知る限り、彼女を作りたいとか、一発どうのこうの、と下品なことばかり考えている奴はスキルが低い傾向がある。合コンという時空間を使い、己のコミュニケーション能力を高めようとしているストイックな輩がウィナーとなるのだ。(厳密には、下品なやつを好む女性も昨今は多いのだが)
結局、結果志向で臨まれても、多くの女性にとっては困るわけで、その場を楽しませてくれる愉快な人が、結果的に気になったりするのではないだろうか。
ちなみに僕はどういうスタンスかというと、合コン市場が学びの場でもあるということは認めているものの、その場が唯一の場であるとも思っていない。
だいぶ会っていない友人に会うであるとか、出会って間もない友人と仲良くなるために行くであるとか、サブテーマがなければ行かないことにしている。
もし、失敗したとしても、サブテーマがあるので、リスクを軽減できるし、パフォーマンスが安定的に出る頻度も、そのような気楽に参加する回数であるように思うからだ。
日本人の調和を重んじる心であるとか、建前と本音であるとか、自分を謙虚にアピールする部分であるとか、女性の奥ゆかしさであるとか、そういった日本人の気質のトレンドを掴む上で、合コンは格好の機会である。外国人の方には、ぜひとも、合コンという日本の文化に触れて頂くことをお勧めしたい。