さてそれに対して世間では、今年で 8 年目の開催になるらしいヨガの祭典 《 ヨガ・フェスタ 》 が彼岸の中日にあたる 2011 年 9 月 23 日から 9 月 25 日の本日まで神奈川県は横浜のパシフィコ横浜で開催されたという事のようでありまして、世のヨガ・マニアの方々は忙しい週末を送っていたのだろうなぁ、などと自宅のパソコンの前で発売されたばかりの 『 HONKOWA 』 を片手に遠くに思いを馳せる今日この頃、皆さんは如何お過ごしでありましょうか。

ヨガフェスタ横浜 2011

 ヨガと言えば、出勤ラッシュ時の朝の地下鉄にサリンという猛毒を散布するという世界犯罪史上稀に見る極悪テロ事件を起こした狂信的なカルト集団オウム真理教が、その布教手段に偽装ヨーガ教室などを利用していたなどという関係から一時期は壊滅的とも言えるほどの ( 教室生徒さんの劇的な減少という ) 被害を受けていたものの、いつの頃からか海外セレブと絡めたパワー・ヨーガ・ブームの波に乗ってちゃっかりとブームを回復しているようで何よりではあります。

 もっとも、オウム真理教解体後の現在においても、元オウムによって偽装されたヨーガ教室というものは現に確認されていて、地下鉄サリン事件から 15 年以上が経過して地下鉄サリン事件や一連のオウム事件をリアルには知らないどころか、下手したら知識としてさえも知らないような世代が増え始めている昨今においては、別な意味で新たな警戒が必要なのではないか・・・、などとも思えるわけではありますが、そんな事を言うとせっかくのヨーガ・ブームに水を注す嫌な奴と思われてしまうのではありましょう orz


 今では、というか今でもヨーガというと美容や健康のお友達・・・、というイメージの方が一般的なものかとは思うのですが、それでも、そもそもヨーガというものは宗教的なものなのであって、その意味からもオカルトとはもともと親近性の高い要素を持っていたものなのでもありますよね。


 だからこそ極悪テロ組織に悪用されたりもしたわけなのでもありますし、今も利用されたりしているわけなのではありますが、そんなヨーガのオカルトとの接点の最大のものと言えばこれ、クンダリーニ・ヨーガというものでありましょう。


 世に言う所謂クンダリーニ・ヨーガというものは、人体中の特に尾てい骨なり仙骨なりに三回転半のトグロを巻いて眠る神秘の霊的エネルギーをヨーガの神秘技法を用いて覚醒させもってその覚醒した神秘のクンダリーニ・エネルギーとシバ神との合一を目指すヨーガの体系の事を言っているようで、これを抽象的に用いる場合とより具体的に用いる場合とのニ様があるようでもあります。


 クンダリーニ・ヨーガという言葉をより具体的に用いる場合には、どういうわけかヒンズー教徒ではなくてシーク教徒であるところのヨギ・バジアンというヨーガ・マスターの伝えた体系・流派のヨーガの事を指していい、これは前世紀においては阿含宗という新興宗教団体が日本にヨギ・バジアン師を招聘して全国ツアーを開催した事で知られ、より直近では 《 火の呼吸 》 で有名になった小山さんという日本人のヨーガの先生がヨギ・バジアンさんの弟さんと友達であったりする ( らしい ) 事で知られていたりもするものであります ( ちなみに、この小山さんは、かつて NHK 教育 - 当時 - テレビで放映されていたヨーガ教室の講師を務めた柳生さんという女性のヨーガの先生とも親しい方らしいですね ) 。


 そんなヨギ・バジアンのクンダリーニ・ヨーガの体系の一端を紹介しているものらしい動画を You Tube で拾ってきましたので、横浜まで出かけてヨガ・フェスタを楽しむ有暇に恵まれていない方々のためにここでその動画をご紹介して見る事にしようかと思います。



 まずは合掌して 「 オン・ナモー・グル・デー ( ヴァ ) ・ナモー 」 などとマントラを唱えてから具体的なプラクティスを始めるあたりに、やはりインド・ヨーガの宗教性の残滓というか出自というものを読み取る事ができてなかなかに面白いところかとも思います。


 ここではいわゆる火の呼吸までは紹介されていませんが、これらは火の呼吸などを行なう前に実践する準備的な細かいテクニックというところなのでしょうか?


 また、ヨギ・バジアンとはまったく別な系統のクンダリーニ・ヨーガという事で言うと下の動画に出てくる女性のグルによるものも結構知られているようであります。


 こちらは一般に 《 サハジャ・ヨガ 》 として知られているものなのですが、この体系によるクンダリーニの解説はなかなか独特のものがあるようですし、その体系も瞑想的なものが主体となっている為に、一般のというかオカルト的な志向性を持たない普通の方がごく普通の美容と健康のためのヨガを想定してこのサハジャ・ヨガの教室に顔を出してびっくり仰天してプンプンしているブログの記事などをネット上で見かけたりした事もあります。


 まぁ、なんにせよ、クンダリーニ・ヨーガにも様々あり、さらにヨーガそのものにも様々なものがあるわけなのですが、アメリカではヨーガのアーサナを勝手に特許出願だか商標登録だかする馬鹿な輩が輩出して、インド政府がそういった馬鹿なアメリカ人にプンスカ怒っているなどという新聞記事を過去に目にした事もあり、なかなかにブームというものは難しいものがあるようなのでもあります。


 が、しかし、それでもこういった秘められたものが広く普及していくことは良い事なのではありますし、そういった知識の一端が自宅にいながらにしてネット上で知る事ができるようになった現代の科学技術の発展というものには感謝すべきなのでもありましょうか。


 もっとも、ネット上だけですべてを知り尽くしたかの如き勘違いをして吼えまくる小学生や、ネット上にないものを世界に存在していないかの如くにこれまた勘違いする幼稚園児の輩出にはうんざりせざるを得ない今日この頃なのでもありはしますが、何事にも完全完璧 100 %という事はない以上は、そのようなケースに対しては受け取り手の側で取捨選択して対処するしかないのでもありましょう orz。